第6回 二人同時の左右指定を、どこまで正しく処理できるのか
前回は、レンチ一人を使って、日本語パネル、縦書き、左右の手、片脚立ち、ウインクなどを一つずつ積み重ねた。
その結果、日本語1行、2行、縦書き、左右別パネルまではかなり安定していた一方、最後の複合条件では足の左右取り違えが発生した。
今回はそこから一段進めて、コハネとレンチの二人を同時に扱う。
一人なら成立していた人物識別、衣装変更、手の左右指定が、二人になったときにも維持されるのか。
特に今回は、
- 二人の顔や髪型が混ざらないか
- 衣装が入れ替わらないか
- 左右の立ち位置を正しく守れるか
- 二人それぞれに別の「右手」「左手」を指定できるか
- 立ち位置を入れ替えたとき、本人基準の左右を維持できるか
- 「画面向かってどちら側」と補助した場合に改善するか
- 手と脚を同時に指定したとき、左右がどこまで維持されるか
を観測した。
今回も白い無地背景の全身立ち絵を使用し、人物とポーズの左右を確認しやすい条件にした。
今回の観測テーマ
主な観測項目は次のとおり。
- 二人を同時に描いても人物同一性を維持できるか
- コハネとレンチの衣装を混ぜずに描けるか
- 二人の立ち位置を画面左右で指定できるか
- 二人それぞれへ別々の手の左右指定を与えられるか
- 立ち位置を反転しても本人基準の左右を維持できるか
- 表情変更を一人だけに追加した場合でも左右指定を維持できるか
- 「本人の左右」だけで不安定な場合、「画面向かって左右」を併記すると改善するか
- 手と脚を同時に動かす複合左右指定を二人同時に処理できるか
- 二人のポーズが、個別指定よりも対称的な構図へ引っ張られるか
使用した参照画像
コハネとレンチの基本立ち絵を、それぞれ人物参照として使用した。
コハネは、顔立ち、茶色の短い髪、赤い差し色、目の色、頭身、体格を維持する。
レンチは、顔立ち、短い黒紺の髪、暖色系の控えめなハイライト、青い目、紺のヘアバンド、後ろの小さな結び、頭身、体格を維持する。
今回の左右テストでは膝と脚の接続を確認しやすくするため、二人とも膝が見える別衣装へ着替えさせた。
レンチの衣装は前回と同じ、膝上丈のクラシカルドレス。
コハネは今回、新たに軽やかなレトロワンピースへ変更した。
生成条件
- 毎回、新規チャットを使用
- 参照画像はコハネとレンチの基本立ち絵
- 白無地背景
- 全身立ち絵
- 二人の身体が重ならないようにする
- 小物、双眼鏡、バッグ、観測道具は外す
- 膝が見える衣装を使用
- 成功した条件を基準に、一段ずつ負荷を追加する
- 生成後の修正指示は行わない
今回の流れは次のとおり。
- コハネ単体の着替え確認
- コハネ左・レンチ右で二人横並び
- コハネ右手+レンチ左手
- 立ち位置反転+レンチ左手+コハネ右手+レンチ驚き
- 表情指定を外して同じ左右指定
- 本人基準+画面基準+中央側を併記
- 本人基準だけで、二人へ手と脚の複合左右指定
コハネ用の着替え
コハネは、普段着との差が分かりやすく、かつ膝が見える衣装へ変更した。
主な指定は次のとおり。
コハネを、普段着とは異なる軽やかなレトロ風の服装へ着替えさせる。
衣装は、生成りの半袖ブラウス風トップと、
くすみオレンジから赤茶系の膝上丈Aラインワンピース。
ウエストには細いベルトを付ける。
その上から、明るいベージュの短丈ボレロまたはショートジャケットを羽織る。
足元は、衣装に自然に合うシンプルなストラップシューズまたはショートブーツ。
赤い差し色は、髪飾りまたは襟元の小さなアクセントだけに使用する。
双眼鏡、バッグ、観測道具、工具などの小物は持たせない。
1枚目:コハネ単体の着替え

最初は、コハネ単体で着替えだけを確認した。
結果
成功。
生成りのブラウス、赤茶系のAラインワンピース、細いベルト、明るいベージュの短丈羽織、ストラップシューズまで、おおむね指定どおりにまとまった。
双眼鏡やバッグなどの観測道具も外れている。
顔立ち、髪型、髪色、赤い差し色も維持された。
一方、元の立ち絵よりやや脚が長く見え、頭身が少し上がった印象はあった。
ただし、人物同一性が崩れるほどではなく、今回の左右テスト用衣装としては十分に使用できる結果だった。
2枚目:二人を横並びにする

次に、コハネとレンチを同時に描いた。
立ち位置は、
- 画面向かって左:コハネ
- 画面向かって右:レンチ
と指定した。
この段階では手や脚の左右指定は行わず、人物と衣装の分離だけを確認した。
結果
成功。
コハネは画面左、レンチは画面右に配置された。
二人の顔、髪型、髪色は明確に分離されている。
衣装も、コハネは赤茶系のレトロワンピース、レンチは深い青緑系のクラシカルドレスとして描き分けられた。
腕や脚の所属も曖昧にならず、二人の身体は重なっていない。
二人同時描画そのものは安定していた。
3枚目:二人それぞれ別の手を上げる

次は、立ち位置をそのままにして、二人へ別々の手の左右指定を与えた。
主な指定は次のとおり。
コハネは本人の右手を上げる。
左手は上げず、身体の横へ自然に下ろしたままにする。
レンチは本人の左手を上げる。
右手は上げず、身体の横へ自然に下ろしたままにする。
画面向かってどちら側の手かはあえて指定せず、本人基準の「右手」「左手」だけを使用した。
結果
成功。
コハネは本人の右手を上げた。
レンチは本人の左手を上げた。
反対側の手も下ろしたままで、二人とも指定された片手だけを使用している。
この時点では、二人同時でも本人基準の左右指定を正しく処理できた。
人物や衣装の混線も起きていない。
4枚目:立ち位置反転+左右指定+レンチだけ表情変更

次に、二人の立ち位置を反転した。
- 画面向かって左:レンチ
- 画面向かって右:コハネ
そのうえで、
レンチは本人の左手を上げる。
コハネは本人の右手を上げる。
と指定した。
さらにレンチだけ、何かに気づいて少し驚いた自然な表情へ変更した。
結果
部分失敗。
立ち位置は成功。
コハネの右手上げも成功した。
レンチの驚いた表情も、両目をやや大きく開き、小さく口を開けた自然な驚きとして成立した。
一方、レンチが上げたのは指定した左手ではなく、本人の右手だった。
つまり、今回初めて二人テストで明確な左右取り違えが発生した。
5枚目:表情指定を外して左右だけ再確認

前の失敗が、情報量の増加やレンチの表情指定によるものかを切り分けるため、表情変更を外した。
立ち位置と手の指定は同じ。
画面向かって左側にレンチ。
画面向かって右側にコハネ。
レンチは本人の左手を上げる。
コハネは本人の右手を上げる。
結果
失敗。
表情指定を外しても左右は改善しなかった。
レンチは本人の右手を上げた。
コハネは本人の左手を上げた。
つまり今回は、二人とも指定と逆の手を上げた。
指定では二人とも画面中央側の手を上げるはずだったが、生成結果は二人とも画面外側の手を上げる、左右対称の構図になった。
この結果から、前の失敗を単純に「情報量が増えすぎたため」と説明するのは難しくなった。
むしろ、二人を横並びにして手を振らせたとき、個々の左右指定よりも、画面全体として自然な対称ポーズが優先された可能性がある。
6枚目:画面基準を追加して左右指定

本人基準の「右手」「左手」だけでは不安定だったため、左右の指定方法そのものを変更した。
今回は、本人基準に加えて、画面向かってどちら側に見える手か、さらに二人の中央側か外側かまで併記した。
主な指定は次のとおり。
レンチは本人の左手を上げる。
これは、画面向かって右側に見える手である。
二人の間、つまり画面中央側にある手を上げる。
コハネは本人の右手を上げる。
これは、画面向かって左側に見える手である。
二人の間、つまり画面中央側にある手を上げる。
二人とも、二人の間にある画面中央側の手だけを上げる。
画面外側にある手は、二人とも下ろしたままにする。
結果
成功。
画面左のレンチは本人の左手を上げた。
画面右のコハネは本人の右手を上げた。
二人とも中央側の手だけを上げ、外側の手は下ろしている。
本人基準の左右だけでは失敗した条件が、画面基準と構図上の位置関係を追加することで成功した。
この結果は、二人以上を同時に扱う場合、単純な「右手」「左手」指定だけでは不十分になることがある一方、画面上の位置まで明示すると改善できる可能性を示している。
ただし、人間側のプロンプト記述量は大きく増える。
一人なら「右手を上げる」で済むところを、二人では「本人の右手」「画面向かってどちら側」「中央側か外側か」まで書く必要がある。
精度は上がるが、運用コストも上がる結果となった。
7枚目:二人へ手と脚の複合左右指定

最後は、成功しない可能性も前提に、本人基準だけで手と脚を同時に指定した。
画面基準の補助は入れていない。
レンチには、
左手を上げる。
左脚を支持脚として地面に接地させる。
右膝を曲げ、右脚だけを身体の後方へ持ち上げる。
コハネには、
右手を上げる。
右脚を支持脚として地面に接地させる。
左膝を曲げ、左脚だけを身体の前方へ持ち上げる。
と指定した。
結果
大きく失敗。
レンチは、指定した左手ではなく右手を上げた。
脚も、左脚を支持脚・右脚を後方へ上げる指定に対して、実際には右脚が支持脚となり、左脚が上がっている。
つまりレンチは、手も脚も左右が反転した。
コハネも、指定した右手ではなく左手を上げた。
脚の左右については、右脚が支持脚、左脚が持ち上がっており、左右そのものは指定どおりだった。
ただし、左脚は「前方へ持ち上げる」指定だったのに、実際にはレンチと同じように後方へ曲げるポーズになった。
二人に別々の手と脚の条件を与えたにもかかわらず、最終的な画像は、
- 片手を上げる
- 反対側の脚を後方へ曲げる
という、二人で揃えたような対称的なポーズへまとまった。
個々の左右指定よりも、二人の見た目として自然で統一感のあるポーズが優先されたように見える結果だった。
今回の判定
コハネ単体の着替え
成功。
レトロワンピースへの衣装変更は成立した。
多少の頭身変化は見られたものの、人物同一性は維持された。
二人同時描画
成功。
二人の顔、髪型、髪色、衣装は混ざらなかった。
立ち位置指定も安定していた。
二人それぞれへの手の左右指定
条件付きで成功。
最初の配置では、本人基準の「右手」「左手」だけで成功した。
しかし立ち位置を反転すると左右取り違えが発生した。
表情追加
表情そのものは成功。
レンチだけに軽い驚きを追加しても、表情は正しく反映された。
ただし同じ画像でレンチの手の左右が失敗した。
表情を外した再テスト
失敗。
表情指定を削除しても左右は改善せず、二人とも逆の手を上げた。
したがって、失敗原因を単純な情報量増加だけに求めることはできない。
画面基準を追加した左右指定
成功。
本人基準に加えて、
- 画面向かってどちら側の手か
- 二人の中央側か外側か
まで指定すると成功した。
二人同時の手+脚複合指定
失敗。
レンチは手と脚の左右がともに反転した。
コハネは手の左右を間違え、脚の左右は守ったものの、前後方向を取り違えた。
二人になると現れた左右の問題
今回、一人テストでは見えにくかった問題がはっきり現れた。
一人の場合、「本人の右手」「本人の左手」という自然な指定だけでも、多くの画像で左右を処理できていた。
しかし二人になると、左右指定が各人物へ独立して割り当てられず、画面全体の構図へ引っ張られる場面が出た。
特に5枚目では、本来は二人とも中央側の手を上げる指定だったにもかかわらず、実際には二人とも外側の手を上げた。
これは単純な一人分の左右取り違えではなく、二人を一組の構図としてまとめる際に、左右対称なポーズへ寄せた結果と見ることもできる。
最終画像でも同じ傾向が強く出た。
二人には異なる脚の方向を指定したが、最終的には二人とも片脚を後ろへ曲げた、よく似たポーズに統一された。
今回の範囲では、二人以上の人物へ別々の左右指定を与える場合、個別条件よりも「画面全体として自然なポーズ」が優先されることがある。
「画面向かって左右」を書く効果
今回もっとも実用的だったのは、6枚目の結果だった。
本人基準だけでは失敗した条件に対して、
- 本人の左手/右手
- 画面向かって左側/右側
- 中央側/外側
をすべて同じ手へ対応させると成功した。
つまり、二人同時の左右指定は、より具体的な画面座標を与えることで改善できる可能性がある。
一方、この方法には明確な欠点もある。
プロンプトを書く人間側が、人物ごとに本人基準と画面基準を変換しなければならない。
二人ならまだ可能だが、三人、四人と人数が増えた場合、
「左から二人目の人物本人の右手は、画面向かって左側の手」
のような指定が必要になる可能性がある。
生成精度を上げるために、人間側の左右変換作業が増えてしまう。
今回の結果は、単に「細かく書けば成功する」というだけでなく、精度を上げるほどプロンプト設計側の負担も増えることを示した。
観測コメント側の左右PON
今回も、画像生成モデルだけでなく、観測コメント側にも左右PONが発生した。
二人を最初に並べた段階で、次のテスト案を考えた際、
- コハネ本人の右手
- レンチ本人の左手
が画面向かってどちら側に見えるかを、観測コメント側が逆に説明した。
生成前の段階だったため画像判定の誤りではないが、本人基準と画面基準の変換を取り違えた点では、これまでと同じ左右PONである。
その後の画像判定では左右を確認できたものの、今回も「右手」「左手」を扱う実験では、生成側だけでなく人間側も簡単に混乱することが確認された。
二人になったことで、その変換作業は一人のときよりさらに複雑になった。
今回わかったこと
今回、二人同時描画そのものはかなり安定していた。
顔、髪型、髪色、衣装、立ち位置は大きく混線しなかった。
また、最初の手の左右指定では、二人それぞれへ別々の条件を与えても正しく処理できた。
一方、立ち位置を反転した後は、本人基準の「右手」「左手」だけでは左右が不安定になった。
表情指定を外して情報量を減らしても改善しなかったため、今回の左右失敗は単純なプロンプト長だけでは説明しにくい。
画面向かってどちら側か、中央側か外側かまで指定すると成功した。
つまり二人テストでは、左右そのものの理解だけでなく、人物配置と画面全体の構図が結果へ強く影響する可能性がある。
さらに手と脚を同時に指定すると、人物ごとの異なるポーズよりも、二人で揃えたような対称的なポーズへ寄る傾向が見られた。
一人では比較的安定していた左右指定も、二人になると一気に扱いが難しくなる。
次回に向けて
次回は、今回成功した「画面向かってどちら側か」を併記する方法を使いながら、日本語パネルを二人へ追加する。
一人テストでは、日本語1行、2行、縦書き、左右別パネルまでかなり安定していた。
次はその文字生成を二人へ拡張する。
主な観測候補は、
- 二人がそれぞれ別のパネルを持てるか
- コハネ用の文章とレンチ用の文章を取り違えないか
- 二人へ異なる日本語を同時に描けるか
- 人物の立ち位置を変えても文章の所属を維持できるか
- 左右指定と日本語を同時に処理できるか
となる。
今回の結果から、二人の左右については、本人基準だけではなく画面基準も補助として使用する。
最終的には、コハネとレンチがそれぞれ異なる日本語パネルを持つ状態まで条件を積み重ねる予定である。
まとめ
今回の収穫は大きく五つあった。
一つ目は、二人同時でも人物同一性と衣装の分離はかなり安定していたこと。
二つ目は、最初の配置では、本人基準だけでも二人それぞれの手の左右指定に成功したこと。
三つ目は、立ち位置を反転すると左右指定が不安定になり、表情を外しても改善しなかったこと。
四つ目は、本人基準に加えて画面向かって左右と中央/外側まで併記すると、同じ条件を成功させられたこと。
五つ目は、手と脚を二人へ別々に指定した最終テストで、個別の左右指定よりも二人で揃えたような対称ポーズへ強く寄ったこと。
今回の結論はこうなる。
ChatGPTの画像生成モデルは、二人同時でも人物識別、衣装、立ち位置そのものはかなり安定して処理できる。 ただし、二人へ別々の左右指定を与えると、本人基準の「右手」「左手」だけでは不安定になることがある。 画面向かってどちら側かまで補助すると改善できるが、そのぶん人間側のプロンプト設計コストは増える。 さらに手と脚を同時に指定すると、個別条件よりも画面全体として自然な対称ポーズへ寄る傾向が見られた。
一人のときは最後まで足の左右が難所だった。
二人になった今回は、手の左右から早くも不安定さが現れた。
そして最後は、二人とも仲良く同じようなポーズへまとまり、指定した左右だけが置いていかれた。
*お約束:このサイトの文・画像はほぼ全てAI製です*




