【生成AI比較観測 #13】富山県・立山黒部アルペンルート

同じお題と同じ共通プロンプトを渡したとき、画像生成AIごとにどんな違いが出るのか。

第13回は、富山県の立山黒部アルペンルートを観測します。今回の抽選結果は、人の少ない端の方で景観を眺めている × 曇りの夕方・絵本風。広大な観光ルートの中から、室堂エリアのみくりが池を共通の描写対象に選びました。

山々の稜線、池、残雪、高山植物という特徴を残しながら、絵本らしい柔らかな表現へまとめられるか。さらに、観光客を画面の主役にせず、静かな場所で景観を眺めている様子を自然に描けるかを見ていきます。

今回も、観測員ミコが5つの生成環境による一発生成結果を記録します。

みんな違って、みんな少しPON。


今回参加する生成環境

FLUX.2 Klein 4B Distilled

利用環境: ローカル環境
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし

ローカルで扱う軽量モデル枠です。共通プロンプトのみで、立山の山岳景観と絵本風の画面をどこまで成立させられるかを観測します。

FLUX.2 [pro]

利用環境: BFL公式Playground
参照画像: あり(みくりが池の昼間の写真を1枚)
生成回数: 1回
リテイク: なし

FLUX.2の上位モデル枠です。今回もこの環境にだけ写真を1枚追加し、地形の手がかりを与えました。青空の実写写真から「曇りの夕方・絵本風」へ変換しながら、池と山々の配置を維持できるかも観測します。共通プロンプトはほかの4環境と同一です。

Gemini

利用環境: 外部画像生成環境
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし

サービス側の出力をそのまま観測する枠です。ウォーターマークが付く場合も消さずに扱います。

ChatGPT

利用環境: ChatGPT「画像」機能
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし

通常の制作とは分けて、一発生成の結果を評価します。身内びいきはしません。

Manus

利用環境: Manus無料枠・標準設定
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし

サービスの標準処理を含めた、一つの生成環境として観測します。


共通ルール

  • 5環境に完全に同じ共通英語プロンプトを渡す
  • 各環境1枚、一発生成、原則リテイクなし
  • 1920×1080を優先し、対応しない場合は16:9の横長比率を維持
  • サービス側の明確なエラーのみ再試行
  • 描写の破綻や解釈違いも、そのまま観測結果として採用
  • FLUX.2 [pro]のみ、みくりが池の参照画像を1枚追加

各環境の補助機能・標準処理まで含めた実用比較です。参照画像の有無も含め、内部条件が完全に一致する厳密なベンチマークではありません。

今回の抽選結果

項目抽選結果
観測回第13回
都道府県・観光地富山県|立山黒部アルペンルート
共通の描写対象室堂エリア・みくりが池
構図・状況人の少ない端の方で景観を眺めている
演出セット曇りの夕方・絵本風
参照画像FLUX.2 [pro]のみ1枚
出力指定1920×1080優先、不可なら16:9維持
再抽選なし

みくりが池の周囲には、山並み、残雪、緑の斜面が広がります。これらを残せば場所の特徴が伝わりやすい一方、絵本風の単純化やモデル独自の山岳風景への再構成によって、実景との距離が開く可能性もあります。今回はその違いが採点のポイントになりました。

FLUX.2 [pro]に渡した参照写真

FLUX.2 pro用・みくりが池の参照写真

青空の下で撮影された、みくりが池と山々の写真です。画像の構図そのものを全環境へ与えたわけではなく、FLUX.2 [pro]だけがこの写真を生成時に参照しました。採点では、ほかの画像についても、この写真をみくりが池の実景を見比べるための手がかりとして使用しています。


実際に使用した共通プロンプト

Create a wide 16:9 storybook-style illustration set at Mikurigaike Pond in the Murodo area of the Tateyama Kurobe Alpine Route, Toyama Prefecture, Japan.

It is a cloudy late afternoon, approaching evening. The sky is covered with soft gray clouds, and the mountain landscape is illuminated by gentle, diffused natural light. The atmosphere should feel quiet and peaceful, with subdued colors and a subtle sense of the approaching evening.

Depict the recognizable alpine scenery of the Murodo area, featuring the beautiful Mikurigaike Pond surrounded by rugged mountain peaks, green alpine vegetation, rocky slopes, and patches of lingering snow.

The distinctive mountain landscape and the pond should remain clearly recognizable as the Tateyama Kurobe Alpine Route, even when rendered in a storybook illustration style.

Include one tourist standing quietly near the edge of a walking path or viewing area, slightly away from the main sightseeing area where very few other people are present.

The person should be positioned naturally toward one side of the composition, looking out over Mikurigaike Pond and the surrounding mountains.

Make it clear that the person is admiring the alpine scenery, not looking toward the viewer or camera.

The pose should feel relaxed and unposed, as if the visitor has stepped aside from the busier sightseeing route to enjoy a peaceful moment alone.

Do not depict the person posing for a commemorative photograph, waving, or actively using a smartphone or camera.

Keep the tourist relatively small within the overall composition, allowing the pond, mountain peaks, and expansive alpine landscape to remain the main visual focus.

Use a charming, carefully illustrated storybook aesthetic, with soft hand-painted textures, gentle outlines, harmonious colors, and natural depth.

The illustration should feel like a beautiful scene from a high-quality illustrated picture book, with a warm, inviting artistic touch while preserving the distinctive shapes and geographical character of the alpine landscape.

Avoid overly simplified mountain shapes, exaggerated fantasy scenery, overly saturated colors, dramatic sunset lighting, or a bright blue sky.

The cloudy late-afternoon lighting should remain consistent throughout the scene, without strong direct sunlight or vivid orange sunset effects.

Compose the image so that the quiet visitor, the edge of the walking path, Mikurigaike Pond, and the surrounding mountains form a natural and visually balanced scene.

The final image should convey the feeling of quietly appreciating the vast beauty of the Tateyama mountains from a less crowded spot during a cloudy late afternoon.

No text, captions, signs, logos, or watermarks.

今回は場所を「立山黒部アルペンルート」だけで終わらせず、「室堂エリア・みくりが池」と明記しました。また、人の少ない場所と画面の端側という条件を両方入れ、人物が景観を静かに眺める状況を指定しています。絵本風については、手描きの質感や柔らかな輪郭を求めつつ、山の形を単純化しすぎないよう抑制条件も加えました。


生成結果

記事では生成環境名を固定順で掲載します。評価時はモデル名を伏せ、次の匿名順で画像を確認しました。

匿名順正体
1枚目FLUX.2 Klein
2枚目FLUX.2 [pro]
3枚目Gemini
4枚目ChatGPT
5枚目Manus

1. FLUX.2 Klein

第一印象

左右の山々に挟まれた池を、柔らかい水彩調の絵本として描いた一枚です。画面左下の遊歩道に人物が立ち、景色を見渡しています。厚い灰色の雲と、遠方に残る淡い夕方の暖色も印象的でした。

観測メモ

  • 指示理解: 人物1人、静かに眺める視線、曇りの夕方、絵本風を明確に反映
  • 観光地の再現: 池、残雪、山、高山植物は揃うが、左右から山が迫る谷状の地形になっている
  • 構図・演出: 左手前の人物と遊歩道から池の奥へ自然に視線が進む。絵本の見開きとしてもまとまりが良い
  • 人物・背景・小物: 目立つ人体破綻なし。遠方の道にはごく小さな人影らしき描写がある
  • 気になった点: みくりが池の実景とは山と池の位置関係が大きく異なる
  • 良かった点: 今回の5枚でも特に絵本らしい水彩表現
  • 今日のPON: みくりが池を描いたら、山に挟まれた別の秘境になった

2. FLUX.2 [pro]

第一印象

山の稜線、池の形、残雪、手前の植生まで、参照写真に近い配置を残した一枚です。左下に小さく人物を置き、景色そのものを主役にしています。絵本としては写実寄りですが、線画と淡い彩色でイラストとしてまとまっています。

観測メモ

  • 指示理解: 人物の視線、静かな立ち位置、曇りの夕方、穏やかな彩色を反映
  • 観光地の再現: 中央奥の稜線、右の山の斜面、左手前の残雪、池の位置など、参照写真との一致が特に強い
  • 構図・演出: 人物が小さく、風景を広く見せる構図。水面の反射も落ち着いている
  • 人物・背景・小物: 大きな破綻なし。足元は池に近いが、遊歩道として読める
  • 気になった点: 他の絵本調の画像より写真を線画化した印象が少し強い
  • 良かった点: 実景に近い地形を維持しつつ、青空の昼間から曇りの夕方へ変更できた
  • 今日のPON: 景観はほぼそのまま、少し真面目な観光案内の挿絵になった

今回の参照画像は晴天の写真でしたが、生成結果では空に灰色の雲が広がっています。場所の形を拾いながら、天候と画風を変更したことが分かりやすい結果です。

3. Gemini

第一印象

石畳の階段とロープ柵を用い、端の展望スペースに立つ人物を明確に描いた一枚です。人物が景観を眺める状況の説明力が強く、太めの輪郭線と落ち着いた塗りも絵本風に合っています。

観測メモ

  • 指示理解: 人物1人、閑散とした端の場所、曇天、絵本風を分かりやすく反映
  • 観光地の再現: 山、池、残雪などは描けているが、稜線と湖岸の形は実景から再構成されている
  • 構図・演出: 右下の階段から人物の立つ展望位置へ視線を誘導。場面の状況が読み取りやすい
  • 人物・背景・小物: 人体は自然。展望場所と周囲のロープ柵の接続がやや曖昧
  • 気になった点: 目立つ石畳の階段や展望設備が、みくりが池の実景との比較では違和感になる
  • 良かった点: 「人の少ない端の方で景観を眺める」を特に分かりやすく表現
  • 今日のPON: 静かな場所を探したら、立派な専用展望スペースが完成していた

4. ChatGPT

第一印象

山肌、残雪、高山植物、池の反射を非常に細かく描いた、迫力のある山岳風景です。人物は左手前の遊歩道に立ち、景色を眺めています。一方、仕上がりはかなり写実的で、今回指定した絵本風は控えめです。

観測メモ

  • 指示理解: 人物の配置と曇天は良好。絵本風への寄せ方は弱い
  • 観光地の再現: 高山の特徴は豊富だが、山の稜線や残雪の位置、池の形は参照写真と異なる
  • 構図・演出: 左側の遊歩道と人物、中央の池、奥の山々の奥行きが自然
  • 人物・背景・小物: 人体、ロープ柵、山、水面とも大きな破綻なし
  • 気になった点: 細密な風景画の方向へ寄り、絵本としての柔らかさが弱くなった
  • 良かった点: 山岳風景の描画密度と安定性
  • 今日のPON: 絵本を頼んだら、山岳写真集の表紙になった

5. Manus

第一印象

広い池と険しい山々を、落ち着いた色合いで描いた一枚です。左端の人物は小さく、ひとりで風景を眺める静けさが伝わります。全体には絵の具の質感があるものの、絵本より写実的な風景水彩画に近い仕上がりでした。

観測メモ

  • 指示理解: 人物の立ち位置、視線、曇天は明確。絵本風の表現は弱め
  • 観光地の再現: 山、池、残雪、高山植物は揃うが、山の高さと稜線、池の形は実景から離れている
  • 構図・演出: 左の岩場と人物から中央の池、背後の山々へ広がる構成
  • 人物・背景・小物: 帽子、リュック、手足、岩場などに目立つ破綻なし
  • 気になった点: 精密描写が優勢で、絵本らしい線の簡略化や柔らかさは控えめ
  • 良かった点: 広大な山岳景観と静かな人物配置の両立
  • 今日のPON: 絵本を頼んだら、登山愛好家向けの風景画集になった

匿名採点

5枚はモデル名を伏せ、ランダム順で確認しました。各項目10点満点、合計50点です。今回は人物配置と曇天が全体的に安定したため、みくりが池の再現性と絵本風という画風指定への適合が差になりました。

匿名画像指示忠実度 /10観光地・地域性 /10構図・演出 /10破綻の少なさ /10一発完成度 /10合計 /50
A(1枚目)1071010946
B(2枚目)10109101049
C(3枚目)108109946
D(4枚目)88910944
E(5枚目)88910944

正体公開

匿名画像生成環境
AFLUX.2 Klein
BFLUX.2 [pro]
CGemini
DChatGPT
EManus

1位はFLUX.2 [pro]の49点。 FLUX.2 KleinとGeminiが46点で2位タイ、ChatGPTとManusが44点で4位タイとなりました。


今回の比較まとめ

一番みくりが池らしい景観を残した:FLUX.2 [pro]

参照写真と比べたとき、池と周辺の斜面、山の稜線、残雪の配置が最も近かったのはFLUX.2 [pro]でした。晴れた昼間の写真を用いながら、出力では灰色の雲と淡い夕方の光に変わっています。写真の色や天候をそのままコピーせず、地形の手がかりを活用した点が今回の強みです。

一番絵本らしい雰囲気が強かった:FLUX.2 Klein

柔らかい水彩のにじみ、手描きの線、雲の下に見える淡い暖色が、絵本の見開きに似合います。ただし、山々が池の左右から迫る谷状の景観となり、みくりが池の地形再現では減点しました。参照画像なしで46点という結果です。

一番「端で眺めている」が分かりやすかった:Gemini

階段から少し離れた展望場所に人物を置き、「人の少ない端の方」を視覚的に説明しました。人物がなぜそこにいるのかも読み取りやすい構図です。一方、そのために追加された石畳の階段や展望設備が、現地の景観との一致を弱めました。

描画は細密でも、絵本風で点を落とした:ChatGPTとManus

どちらも高山の風景としては安定していました。人物、山、残雪、池、植物に大きな破綻はなく、落ち着いた曇天も表現しています。ただ、両者とも写真に近い密度のある風景画へ寄り、今回求めた絵本らしい描写が弱くなりました。44点で同点という結果になっています。

今日のPON

今回は、**「絵本を頼んだら、山岳風景画集が届いた」**というChatGPTとManusの方向違いが印象的でした。山の描写が細かくても、指定された画風から外れると順位は下がります。反対にFLUX.2 Kleinは絵本らしさが強くても、場所の形を大きく変えたため首位には届きませんでした。


今回の追加観測:FLUX.2 [pro]の参照画像

FLUX.2 [pro]にだけ追加したのは、明るい青空の下で撮られたみくりが池の写真です。今回の共通指示は「曇りの夕方・絵本風」であり、参照写真とは天候、時間帯、表現形式が異なります。

結果を見ると、稜線や池の形、残雪と斜面の配置に写真の特徴が強く残る一方、空は曇りに変わり、全体が輪郭線と淡い彩色で描かれています。前回の白川郷では昼の写真から雨の夜へ変更できましたが、今回は写真から絵本調への変換を含めて、地形の特徴を残せたことが新しい観測点です。

ほかの4環境には写真を渡していません。したがって、今回の49点は「参照画像を使ったFLUX.2 [pro]という生成環境」の結果として読み取ります。


スコア一覧

生成環境指示忠実度観光地・地域性構図・演出破綻の少なさ一発完成度合計
FLUX.2 Klein1071010946
FLUX.2 [pro]10109101049
Gemini108109946
ChatGPT88910944
Manus88910944

第12回からの得点変化

生成環境第12回・白川郷第13回・立山黒部増減
FLUX.2 Klein4546+1
FLUX.2 [pro]4949±0
Gemini4446+2
ChatGPT5044−6
Manus4944−5

前回は雨の夜・映画スチル風、今回は曇りの夕方・絵本風です。異なるお題をまたいだ単純比較にはなりますが、FLUX.2 [pro]は49点を維持し、今回初めて単独首位となりました。一方、ChatGPTとManusは絵本風への適合で点を落としています。


ミコの観測まとめ

第13回は、5環境とも「人の少ない場所で景観を眺める人物」と「曇り空」を大きく外さず、人物の描画破綻も少ない回になりました。それでも結果に5点の開きが出たのは、観光地固有の地形を残すことと要求された絵本の画風に仕上げることの両立が難しかったためです。

FLUX.2 Kleinは絵本らしい水彩表現で46点。Geminiは人物の居場所を明快に見せて同じく46点でした。ChatGPTとManusは細密な山岳風景を描きましたが、写実寄りの仕上がりで44点にとどまりました。

そしてFLUX.2 [pro]は、写真から得た地形を維持しながら、曇りの夕方と絵本調への変更を成立させ、49点で首位になりました。前回までの参照画像の観測を受け、今回は画風変換まで含めた成果を確認できたことが印象的です。

次回も、抽選機が選んだ日本のどこかを、同じ5つの生成環境で観測します。

みんな違って、みんな少しPON。

*お約束:このサイトの文・画像はほぼ全てAI製です*


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