同じお題と同じ共通プロンプトを渡したとき、画像生成AIごとにどんな違いが出るのか。
第5回は、北海道の小樽運河を観測します。
今回は、観光客や通行人で少し混雑した散策路で、人物が人の流れを避けるように脇へ寄っている構図に、曇りの朝、写実寄りという演出を組み合わせました。
小樽運河は、水路、石造りの護岸、歴史的な倉庫群、運河沿いの散策路が印象的な名所です。
単に人物を画面端へ置くだけではなく、周囲の人流との関係から「混雑を避けて自分から脇へ寄った」と読み取れるか。
そして、曇りの朝の柔らかな光と湿度感を保ちながら、小樽運河らしい景観を写実寄りにまとめられるか。
今回も、観測員ミコが5つの生成環境の一発生成結果を記録します。
みんな違って、みんな少しPON。
今回参加する生成環境
FLUX.2 Klein 4B Distilled
利用環境: ローカル環境
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし
ローカルで扱う軽量モデル枠です。
軽量モデルとしての一発完成度、プロンプトへの忠実度、構図の安定性、ローカル運用での実用性を観測します。
FLUX.2 [pro]
利用環境: BFL公式Playground
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし
FLUX.2の上位モデル枠です。
記事内では、
FLUX.2 [pro] / BFL公式Playground使用
として扱います。
ローカル版との差や、一発生成時の完成度、観光地と人物のまとめ方を観測します。
Gemini
利用環境: 外部画像生成環境
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし
ウォーターマークが入る場合も消さず、そのまま掲載します。
生成元ごとの出力仕様も含めて、素の状態を観測します。
Chatgpt
利用環境: ChatGPT「画像」機能
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし
通常の制作チャットとは分け、可能な限り新規条件に近い状態で生成します。
身内びいきはせず、他の生成結果と同じ条件で観測します。
Manus
利用環境: Manus無料枠・標準設定
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし
内部モデル名は推測せず、実際に確認できる利用条件のみ記載します。
無料枠・標準設定で、どこまで一発完成度を出せるかを観測します。
共通ルール
今回の5環境には、以下の条件を共通で渡しました。
- 完全に同じ共通プロンプト
- 参照画像なし
- 各環境1枚
- 一発生成
- リテイクなし
- 1920×1080を優先
- 1920×1080が不可能な場合は16:9の横長比率を維持
- サービス側の明確なエラーのみ再試行
- 生成結果の破綻や解釈違いは、そのまま観測結果として採用
内部設定まで完全に揃えることはできないため、厳密なベンチマークではありません。
あくまで、できるだけ同じ条件へ近づけた比較観測です。
また、本企画は基盤モデルだけでなく、各サービスの標準設定や生成処理を含む「生成環境単位」で比較します。
今回の抽選結果
| 項目 | 抽選結果 |
|---|---|
| 観測回 | 第5回 |
| 都道府県・観光地 | 北海道|小樽運河 |
| 構図・状況 | 混雑を避けて脇に寄っている |
| 演出セット | 曇りの朝・写実寄り |
| 参照画像 | なし |
| 出力指定 | 1920×1080、不可の場合は16:9維持 |
| 再抽選 | なし |
第5回は、小樽運河の地域性だけでなく、「混雑」と「脇へ寄る」という人物と人流の関係を同時に成立させる必要があるお題になりました。
今回のポイントは、主役を単に画面の端へ置くことではありません。散策路の中央付近を他の人々が歩き、主役だけがその流れから外れていることで、状況の意味まで自然に伝えられるかです。
実際に使用した共通プロンプト
北海道・小樽運河を舞台にした、写実寄りの一枚絵。
曇り空の朝。小樽運河沿いの散策路には観光客や通行人がそれなりに行き交っており、少し混雑している。
画面の主役となる成人の人物が一人、通行する人たちの邪魔にならないよう、人の流れから外れて散策路の脇へ寄って立っている。
単に画面端に配置するのではなく、周囲の人々が散策路の中央付近を歩いていることで、「混雑を避けて自分から脇へ寄った」ことが自然に読み取れる構図にする。
人物はカメラを意識したポーズを取らず、小樽運河の景色を眺めながら静かに佇んでいる。
表情や姿勢も自然体で、観光中の何気ない一瞬を切り取ったように描写する。
背景には、小樽運河の水面、石造りの護岸、運河沿いの歴史的な倉庫群、散策路など、小樽運河と認識できる景観を自然に含める。
場所を象徴する要素を過剰に誇張せず、実際の観光地を撮影した写真のような現実感を重視する。
曇天の朝らしい柔らかく拡散した自然光。
強い直射日光や劇的な夕焼け、夜景、ライトアップは使わない。
色彩はやや落ち着かせ、曇り空の冷たさと朝の湿度感を感じる自然なトーンにする。
写実寄りの表現。
自然な人体、現実的な衣服の質感、奥行きのある背景、写真撮影のような空気感。
過度な映画的演出、極端なボケ、派手な色調補正、イラスト的・アニメ的な表現は避ける。
文字、字幕、ロゴ、透かしは入れない。
出力サイズは1920×1080。
その解像度を直接指定できない場合でも、必ず16:9の横長構図を維持する。
今回は、「混雑」と「脇に寄る」を別々に描くのではなく、周囲の人流と主役の位置関係によって一つの状況として成立させるよう指定しました。
また、夜景やライトアップに頼らず、曇りの朝の柔らかな自然光と、小樽運河の倉庫群・護岸・散策路を写実寄りに描くことを重視しています。
生成結果
公開時は毎回、以下の固定順で掲載します。
採点時だけは生成環境名を伏せ、ランダム順で評価しました。
1. FLUX.2 Klein

第一印象
今回の5枚の中でも「混雑」はかなり強く、散策路の人の流れから主役が外れていることも分かりやすい一枚。
一方で、運河や石積み、倉庫風の建物は描かれているものの、小樽運河としての固有性はやや弱く、別の日本の観光水路にも見える景観になりました。
観測メモ
- 指示理解: 混雑と、人流を避けて脇へ寄る人物の関係はかなり明快
- 観光地の再現: 運河観光地としては成立するが、小樽運河固有の景観としては弱い
- 構図・演出: 群衆から外れた位置に主役を置き、曇天と写実寄りの画面も成立
- 人物・背景・小物: 人物や群衆に大きな破綻は少なく、全体の写実性は高い
- 気になった点: 山の迫り方や街並み、建物・電柱の見え方が小樽運河から離れて見える
- 良かった点: 「混雑を避ける」という抽象的な状況を、人流と人物配置で分かりやすく表現した
- 今日のPON: 小樽運河を描いたはずが、どこか別の日本の観光水路へ寄り道した
2. FLUX.2 [pro]

第一印象
石造・レンガ倉庫、運河、護岸、散策路がまとまり、小樽運河らしい景観そのものは非常に強い一枚。
曇りの朝の冷たい空気感もよく出ていますが、今回の主題である「混雑を避けて脇へ寄っている」という状況は弱めです。
観測メモ
- 指示理解: 小樽運河、曇り朝、写実寄りは強いが、「混雑を避ける」の意味関係が弱い
- 観光地の再現: 倉庫群、運河、護岸、散策路が揃い、小樽らしさは5枚の中でも強い
- 構図・演出: 景観写真としては良好だが、主役が人流から退避したことは読み取りにくい
- 人物・背景・小物: 大きな破綻は少なく、人物も背景に自然に溶け込んでいる
- 気になった点: 人の密度が低く、主役が単に散策路の端を歩いているようにも見える
- 良かった点: 場所の空気感と景観のまとまりが強く、写実寄りの観光写真として完成度が高い
- 今日のPON: 小樽運河はしっかり来たが、混雑のほうが少し遅れている
3. Gemini

第一印象
散策路いっぱいに人が行き交い、今回の5枚の中でも混雑表現が特に強い一枚。
主役が群衆から外れて護岸側に立っているため、「混雑を避けて脇へ寄った」という状況も一目で伝わります。
観測メモ
- 指示理解: 混雑、人流から外れた主役、曇り朝、写実寄りを高い水準で反映
- 観光地の再現: 運河、石造倉庫、護岸、街灯など、小樽運河らしい記号がよく揃う
- 構図・演出: 中央から右側に濃い人流を作り、左手前へ主役を逃がした構図が明快
- 人物・背景・小物: 群衆の密度が高いぶん奥の人物に少し生成的な反復感がある
- 気になった点: 左側の建物に大きな生成文字が入り、「文字なし」の指定へ明確に違反した
- 良かった点: 今回の特殊条件である「混雑」と「退避」の因果関係が非常に分かりやすい
- 今日のPON: 文字禁止と書いた横で、倉庫が堂々と看板を掲げた
4. Chatgpt

第一印象
小樽運河らしさ、曇りの朝、写実性、人流と主役の関係を、全体として自然にまとめた一枚。
左側に通行人の流れを作り、主役だけを右側の護岸際へ置くことで、「混雑を避けて脇へ寄った」という状況が無理なく伝わります。
観測メモ
- 指示理解: 主要条件をほぼすべて自然に反映
- 観光地の再現: 運河、石造りの護岸、倉庫群、散策路が揃い、小樽運河として認識しやすい
- 構図・演出: 左の人流と右の主役を対比させ、「脇へ寄る」の意味を自然に成立させた
- 人物・背景・小物: 人物、衣服、背景とも大きな破綻は少ない
- 気になった点: 主役がやや大きく、観光スナップより少し人物ポートレート寄り。混雑も極端ではない
- 良かった点: 地域性、状況理解、写実性、朝の空気感のバランスが良い
- 今日のPON: 大きな誤作動はなく、今回はかなり優等生
5. Manus

第一印象
今回の構図指定をかなり真正面から回収した一枚。
左側に明確な人流を作り、主役だけを右側の護岸際へ寄せることで、「混雑を避けて脇へ寄った」という意味が非常に分かりやすくなっています。
観測メモ
- 指示理解: 混雑、人流から外れた主役、運河を見る自然な姿勢を高い水準で反映
- 観光地の再現: 倉庫群、石造りの護岸、散策路、街灯、水面が揃い、小樽らしさは強い
- 構図・演出: 人流と主役の位置関係が明快で、今回の特殊条件への追従力が高い
- 人物・背景・小物: 大きな破綻は少なく、曇り朝の写実寄り表現も安定
- 気になった点: 主役が護岸の縁へかなり寄っており、「少し脇へ避けた」にしては寄りすぎて見える
- 良かった点: プロンプトの意味をそのまま画面構成へ変換したような分かりやすさ
- 今日のPON: 邪魔にならないよう脇へ寄った結果、護岸ギリギリまで避難した
匿名採点
5枚はモデル名を伏せ、ランダム順で採点しました。
採点時には生成環境名を確認せず、採点終了後に正体を公開しています。
各項目10点満点、合計50点です。
| 匿名画像 | 指示忠実度 /10 | 観光地・地域性 /10 | 構図・演出 /10 | 破綻の少なさ /10 | 一発完成度 /10 | 合計 /50 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| A | 9 | 9 | 9 | 9 | 9 | 45 |
| B | 8 | 6 | 8 | 9 | 8 | 39 |
| C | 7 | 9 | 7 | 9 | 9 | 41 |
| D | 9 | 9 | 9 | 9 | 9 | 45 |
| E | 8 | 9 | 9 | 8 | 8 | 42 |
正体公開
| 匿名画像 | 生成環境 |
|---|---|
| A | Chatgpt |
| B | FLUX.2 Klein |
| C | FLUX.2 [pro] |
| D | Manus |
| E | Gemini |
今回の比較まとめ
一番お題に忠実
Chatgpt / Manus
今回は45点で同点首位になりました。
Chatgptは、小樽運河、曇りの朝、写実性、混雑、人流から外れた主役を全体として自然にまとめています。
Manusは、左側の人流と右側の主役をより明快に分離し、「混雑を避けて脇に寄っている」という構図指定そのものを非常に分かりやすく回収しました。
同じ45点でも、Chatgptは自然な総合力、Manusは構図指示への強い追従という違いが見えます。
一番観光地らしさが出た
FLUX.2 [pro]
石造・レンガ倉庫、運河、護岸、散策路、曇天の空気感がまとまり、小樽運河の景観そのものは5枚の中でも特に印象的でした。
その一方で、人通りが少なく、今回の「混雑を避ける」という主題は弱くなっています。
一番混雑を表現できた
Gemini
散策路の人の密度は今回もっとも高く、主役がそこから外れていることも明快です。
「混雑」と「脇へ寄る」を一枚の中で因果関係として見せる力は非常に強い結果でした。
ただし、文字禁止の指定に対して大きな生成文字を入れたため、完成度では減点となりました。
一番構図の意味が分かりやすかった
Manus
左側の人流、右側の主役、運河という役割分担が非常に明快でした。
今回の「単に端へ置くのではなく、人の流れから外れたことを見せる」という指定を、最も説明的に画面へ変換した結果です。
ただし、主役は少し脇へ寄るどころか護岸の縁まで行ってしまいました。
一番一発完成度が高かった
Chatgpt / Manus
匿名採点では両者とも一発完成度9点、総合45点で並びました。
Chatgptは全体の自然さ、Manusは構図指定の明快さが強く、どちらもそのまま記事へ掲載できる水準でまとまっています。
今日のPON
Gemini
今回もっとも分かりやすいPONは、文字禁止指定を受けながら、倉庫へ大きな生成文字を入れたこと。
混雑表現と構図理解が良かっただけに、最後の最後で目立つ禁止条件を踏んでしまいました。
人混みは避けられた。
でも文字禁止は避けられなかった。
スコア一覧
| 生成環境 | 指示忠実度 | 観光地・地域性 | 構図・演出 | 破綻の少なさ | 一発完成度 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| FLUX.2 Klein | 8 | 6 | 8 | 9 | 8 | 39 |
| FLUX.2 [pro] | 7 | 9 | 7 | 9 | 9 | 41 |
| Gemini | 8 | 9 | 9 | 8 | 8 | 42 |
| Chatgpt | 9 | 9 | 9 | 9 | 9 | 45 |
| Manus | 9 | 9 | 9 | 9 | 9 | 45 |
ミコの観測まとめ
第5回は、5つの生成環境すべてが「小樽運河らしい景観」または「人流を避ける人物」のどちらかをある程度成立させました。
そのため、今回もっとも差が出たのは、観光地の再現と、人物がなぜその位置にいるのかという意味を、同時に成立させられるかです。
FLUX.2 Kleinは、混雑と退避の関係を分かりやすく描きましたが、地域性では小樽運河から離れた景観になりました。
FLUX.2 [pro]は、小樽運河らしい倉庫群と運河の空気感を強く出した一方で、人通りが少なく、今回の特殊条件を取りこぼしました。
Geminiは、5枚の中でも特に強い混雑表現を見せ、主役がそこから外れていることも明快でしたが、文字禁止指定への違反が目立ちました。
Chatgptは、景観、人流、人物、曇天、写実性を自然にまとめ、匿名採点で45点を獲得しました。
Manusは、プロンプトの構図指定を非常に明快に画面へ変換し、Chatgptと同じ45点で首位に並びました。
前回の高千穂峡では、人物の横顔と、その視線の先にある名所をどう結びつけるかが大きな観測点でした。
今回は、人物が「どこにいるか」だけではなく、なぜそこへ寄ったのかを、周囲の人流から読み取れるかが重要になりました。
同じ人物ありの観光地比較でも、抽選される構図・状況によって、必要になる理解力はかなり変わります。
第5回も、単純な画質比較では見えにくい、生成環境ごとの解釈差がよく出る結果になりました。
次回も、抽選機が選んだ日本のどこかを、5つの生成環境へ同じ条件で渡して観測します。
みんな違って、みんな少しPON。
*お約束:このサイトの文・画像はほぼ全てAI製です*




