第2回 三面図はキャラクターシート化せずに描けるのか
今回は、1枚のキャラクター画像を参照しながら、正面・左側面・背面だけを並べた「純粋な三面図」を生成できるか試した。
画像生成モデルに「三面図」と頼むと、表情差分や顔のアップ、小物一覧、説明文などを追加したキャラクターシート風の構成になりやすい。そこで今回は、余計な要素を加えず、3方向の全身立ち絵だけに絞れるかを観測する。
あわせて、連続生成時の文脈混入を抑えるために使ってきた強い除染指示、通称「忘れろビーム」が、新規チャットでの一発生成にも必要なのかを確認した。
今回の観測テーマ
主な観測項目は次のとおり。
- 正面・左側面・背面の3体だけで構成できるか
- キャラクターシート風の装飾や追加要素を抑えられるか
- 3体の頭身、縮尺、姿勢、高さを揃えられるか
- 側面を3/4ビューではなく完全な真横にできるか
- 衣装、髪型、靴、装備位置の整合性を維持できるか
- 通常プロンプトだけで安定するか
- 忘れろビームが有効か、それとも強く効きすぎるか
使用した参照画像
前回のお着替え試験で生成したレンチの最終画像を、唯一の参照画像として使用した。
参照対象は、顔立ち、髪型、髪色、目の色、頭身、衣装、靴、髪飾り、配色。
生成はすべて新規チャットで行い、1チャットにつき1枚だけ生成した。
生成条件
- 毎回、新規チャットを使用
- 参照画像は1枚のみ
- 1チャットにつき1枚だけ生成
- 白無地背景
- 正面・左側面・背面の3体を横一列
- 表情差分、顔アップ、小物一覧、説明文、ラベル、装飾枠は禁止
- 生成後の修正指示は行わない
今回は次の3枚を比較した。
- 通常プロンプト
- 忘れろビームあり
- 通常プロンプトの再試行
通常プロンプト
添付したレンチの画像を参照し、このキャラクターの三面図を1枚の画像として生成してください。
キャラクターシートではなく、正面・左側面・背面の全身立ち絵3体だけを横一列に配置した、純粋な三面図にしてください。
【構成】
・左から、正面、左側面、背面
・3体とも頭頂から靴底まで入った全身
・同じ頭身、同じ縮尺、同じ立ち位置、同じ直立姿勢
・腕は自然に体の横へ下ろす
・正面と背面は真正面、側面は完全な真横
・斜め向きや3/4ビューにしない
・白無地背景
・影は最小限
・横長構図
【参照内容】
添付画像の顔立ち、髪型、髪色、目の色、頭身、衣装、靴、装備、配色を維持してください。
正面・側面・背面で、衣装の構造、丈、装備位置、ベルト、靴、髪型が矛盾しないようにしてください。
左右の装備位置を勝手に入れ替えないでください。
【追加禁止】
・表情差分
・ポーズ差分
・顔のアップ
・小物一覧
・衣装分解図
・説明文
・ラベル
・文字
・寸法線
・装飾枠
・背景演出
・キャラクターシート風のレイアウト
・指定していない人物、動物、道具、エフェクト
三面図3体以外は何も追加しないでください。
1枚目:通常プロンプト

最初の生成から、正面・左側面・背面の3体だけを並べた三面図として成立した。
成功した点
- キャラクターシート化しなかった
- 文字、説明、小物欄、顔アップを追加しなかった
- 3体の全身が頭頂から靴底まで収まった
- 頭身と縮尺がほぼ揃った
- 側面が3/4ビューにならず、明確な真横になった
- 白背景と最小限の影を維持した
- 衣装の丈、肩紐、腰部分、裾、ブーツが大きく崩れなかった
気になった点
- 背面の肩紐周辺は、正面から想定される構造より少しギャザーが強い
- 髪飾りの位置は、3方向で完全には一致していない
- 側面は製図的な完全平面図というより、見栄えを優先した立体表現になっている
厳密な設計図というより「見栄えのよい三方向立ち絵」ではあるが、今回の目的には十分な成功だった。
忘れろビームありプロンプト
通常版に加えて、過去の会話や別画像の構図、服装、ポーズ、小物、背景、色調、演出、キャラクターシート構成を破棄するよう指定した。
ただし今回は衣装を維持する必要があるため、従来の忘れろビームをそのまま使わず、参照画像の人物と衣装は残す三面図専用版に調整した。
添付したレンチの画像を唯一の参照画像として使用し、このキャラクターの三面図を1枚の画像として生成してください。
【参照ルール】
顔立ち、髪型、髪色、目の色、頭身、表情の基本的な印象、衣装、靴、髪飾り、配色のみを参照してください。
参照画像に描かれている人物のポーズ、身体の向き、構図、余白、背景、光、影、演出は引き継がず、今回の三面図用に新規設計してください。
過去の会話や別画像に含まれる構図、服装、ポーズ、小物、背景、色調、演出、キャラクターシート構成はすべて破棄してください。
指定していない人物、動物、道具、装飾、説明要素を追加しないでください。
【生成内容】
キャラクターシートではなく、正面・左側面・背面の全身立ち絵3体だけを横一列に配置した、純粋な三面図にしてください。
【構成】
・左から、正面、左側面、背面
・3体とも頭頂から靴底まで入った全身
・3体とも同じ頭身、同じ縮尺、同じ高さ
・3体とも同じ自然な直立姿勢
・腕は自然に身体の横へ下ろす
・正面は真正面
・側面は完全な左真横
・背面は真後ろ
・斜め向きや3/4ビューにしない
・白無地背景
・影は最小限
・横長構図
【整合性】
参照画像の顔立ち、髪型、髪色、目の色、頭身、衣装、靴、髪飾り、配色を維持してください。
正面・側面・背面で、髪型、衣装の構造、肩紐、襟、袖、腰部分、スカート丈、裾、靴が矛盾しないようにしてください。
左右の構造や装飾位置を勝手に入れ替えないでください。
人体の比率を自然に保ち、腕、指、脚の本数と接続を正しくしてください。
【追加禁止】
・表情差分
・ポーズ差分
・顔のアップ
・小物一覧
・衣装分解図
・説明文
・ラベル
・文字
・寸法線
・装飾枠
・背景演出
・キャラクターシート風のレイアウト
・指定していない人物、動物、道具、エフェクト
三面図の3体以外は何も追加しないでください。
2枚目:忘れろビームあり

こちらも三面図としては成功した。
成功した点
- 正面・左側面・背面の3体だけに抑えた
- キャラクターシート化しなかった
- 3体の高さと左右対称性が整っていた
- 腕を少し開いた、設定画らしい姿勢になった
- 白背景、文字なし、追加要素なしを維持した
通常版との差
一方で、忘れろビームによる明確な改善は確認できなかった。
- 背面の髪飾りが中央の大きなリボンとして再設計された
- 側面・正面・背面で髪飾りの位置関係が揺れた
- 背中の肩紐や胸当て上端が、通常版とは異なる解釈になった
- 顔つきが少し幼く、柔らかい方向へ変化した
今回のように新規チャットで参照画像が1枚だけの場合、捨てるべき過去文脈はほとんど存在しない。
その状態で強い除染指示を加えたため、除染よりも「参照内容を再整理し、新しく解釈する圧」が強く出た可能性がある。
3枚目:通常プロンプト再試行

通常プロンプトを、別の新規チャットで再度実行した。
結果は1枚目と同じく成功。三面図3体のみ、白背景、同じ縮尺、同じ頭身、同じ直立姿勢が維持された。
再現できた点
- キャラクターシート化しなかった
- 正面・完全な左側面・背面になった
- 3体の高さと縮尺が揃った
- 衣装の基本構造が大きく崩れなかった
- 余計な文字、説明、装飾、小物を追加しなかった
髪飾りや背面構造には多少の揺れがあるものの、これは忘れろビームありでも起きていた。
したがって、忘れろビームの有無よりも、参照画像に描かれていない背面情報をモデルが推定する際の揺れと考える方が自然だった。
今回の判定
三面図生成
成功。
通常プロンプトだけで、2回連続して純粋な三面図を生成できた。
特に、懸念していたキャラクターシート化を抑えられた点は大きい。
ただし、完全な工業製図や公式設定資料のような厳密な整合性ではない。
背面の髪飾り、肩紐、衣装構造など、参照画像に見えていない部分は生成ごとに推定が変わる。
今回の結果は、「設計資料として完全」ではなく、「見栄えのよい三方向立ち絵として十分成立」と評価する。
忘れろビーム
新規チャットで1枚だけ生成する場合は、原則不要。
通常プロンプトだけで2回連続成功し、忘れろビームあり版に明確な改善は見られなかった。
むしろ、参照画像の細部を再設計する方向に作用した可能性がある。
今回わかった運用ルール
今後の基本運用は、次の形でよさそうだ。
新規チャット
+参照画像1枚
+明確な通常プロンプト
+1チャット1枚
この条件なら、少なくとも今回の三面図では、余計な文脈混入やキャラクターシート化を十分に抑えられた。
忘れろビームは常用せず、次のような場合だけ使う。
- 同じチャット内で連続生成する場合
- 前の衣装、ポーズ、小物、背景が混入した場合
- 通常プロンプトで同じ誤作動が繰り返された場合
- 文脈除染そのものを比較対象にする場合
つまり忘れろビームは、品質を常に上げる万能指示ではなく、連続生成で残った文脈を切るための強い処置だった。
まとめ
今回の収穫は二つあった。
一つ目は、ChatGPTの画像生成モデルが、明確な通常プロンプトだけで正面・左側面・背面の純粋な三面図を生成できたこと。
二つ目は、新規チャットで1枚ずつ生成する運用なら、忘れろビームを毎回比較する必要がないと判断できたこと。
モデルの描画能力だけでなく、プロンプトの強さとチャット運用の影響まで観測する結果になった。
三面図を試したはずが、最終的には「どの指示を、どの状況で使うべきか」まで整理できた。
今回も、少し予定外のところまで観測できた回だった。
*お約束:このサイトの文・画像はほぼ全てAI製です*




