【生成AI比較観測 #09】愛知県・名古屋城

同じお題と同じ共通プロンプトを渡したとき、画像生成AIごとにどんな違いが出るのか。

第9回は、愛知県の名古屋城を観測します。

今回は、歩きながら振り返り、名所を眺めている人物という動作指定に、雨の夕方・アニメ調という演出を組み合わせました。

名古屋城は、白い壁、緑青色の屋根、石垣、そして最上部の金鯱が印象的な名所です。

今回のポイントは、単に「歩いている人物」と「名古屋城」を同じ画面に出せるかではありません。

人物が前へ進みながら、頭や上半身だけを後方へ向け、カメラではなく名古屋城を見ているという複合動作を自然に成立させられるか。

さらに、雨、濡れた路面、夕方の光、アニメ調の画面を同時にまとめながら、名古屋城そのものも recognizable な姿で維持できるかを観測します。

今回も、観測員ミコが5つの生成環境の一発生成結果を記録します。

みんな違って、みんな少しPON。


今回参加する生成環境

FLUX.2 Klein 4B Distilled

利用環境: ローカル環境
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし

ローカルで扱う軽量モデル枠です。

軽量モデルとしての一発完成度、プロンプトへの忠実度、構図の安定性、ローカル運用での実用性を観測します。


FLUX.2 [pro]

利用環境: BFL公式Playground
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし

FLUX.2の上位モデル枠です。

記事内では、

FLUX.2 [pro] / BFL公式Playground使用

として扱います。

ローカル版との差や、一発生成時の完成度、観光地と人物動作のまとめ方を観測します。


Gemini

利用環境: 外部画像生成環境
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし

ウォーターマークが入る場合も消さず、そのまま掲載します。

生成元ごとの出力仕様も含めて、素の状態を観測します。


Chatgpt

利用環境: ChatGPT「画像」機能
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし

通常の制作チャットとは分け、可能な限り新規条件に近い状態で生成します。

身内びいきはせず、他の生成結果と同じ条件で観測します。


Manus

利用環境: Manus無料枠・標準設定
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし

内部モデル名は推測せず、実際に確認できる利用条件のみ記載します。

無料枠・標準設定で、どこまで一発完成度を出せるかを観測します。


共通ルール

今回の5環境には、以下の条件を共通で渡しました。

  • 完全に同じ共通英語プロンプト
  • 参照画像なし
  • 各環境1枚
  • 一発生成
  • リテイクなし
  • 1920×1080を優先
  • 1920×1080が不可能な場合は16:9の横長比率を維持
  • サービス側の明確なエラーのみ再試行
  • 生成結果の破綻や解釈違いは、そのまま観測結果として採用

内部設定まで完全に揃えることはできないため、厳密なベンチマークではありません。

あくまで、できるだけ同じ条件へ近づけた比較観測です。
また、本企画は基盤モデルだけでなく、各サービスの標準設定や生成処理を含む「生成環境単位」で比較します。


今回の抽選結果

項目抽選結果
観測回第9回
都道府県・観光地愛知県|名古屋城
構図・状況歩きながら振り返り、名所を眺めている
演出セット雨の夕方・アニメ調
参照画像なし
出力指定1920×1080、不可の場合は16:9維持
再抽選なし

第9回は、人物の姿勢そのものよりも、進行方向・身体の向き・視線・名所の位置関係を同時に処理できるかが大きな観測点になりました。

「歩く」「振り返る」「城を見る」は単独なら比較的単純な指示ですが、同時に成立させようとすると、歩行方向と視線方向の関係を画面内で破綻なく作る必要があります。


実際に使用した共通プロンプト

Create a wide 16:9 anime-style scene set at Nagoya Castle in Aichi Prefecture, Japan.

It is a rainy late afternoon approaching evening. The sky is overcast, the light is dim and cool, and the wet ground reflects the surrounding scenery.

Show Nagoya Castle clearly in the background, with its recognizable white walls, layered greenish copper roofs, large stone base, and the golden shachihoko ornaments on the top of the main keep.

Include one tourist walking through the castle grounds.

The person should be caught mid-step, clearly moving forward, while turning their upper body and head back over their shoulder to look at Nagoya Castle behind them.

Make it clear that the person is looking at the castle, not at the viewer or camera.

Preserve a natural sense of walking motion: one leg should be advancing while the body continues in the walking direction, even though the head and upper torso are turned back toward the castle.

Compose the scene so that both the walking tourist and Nagoya Castle are clearly visible and visually important, without either becoming merely a tiny background detail.

Include natural rainy-weather details such as visible rainfall, wet pavement or stone paths, soft reflections, and subdued evening light.

Use a polished Japanese anime visual style with clean character design, natural proportions, detailed background architecture, atmospheric rain, and restrained cinematic lighting.

The image should feel like a spontaneous moment during sightseeing rather than a posed portrait.

No text, captions, signs, logos, or watermarks.

今回は、単なる looking at Nagoya Castle ではなく、mid-step、turning their upper body and head back over their shoulder、not at the viewer or camera と動作を細かく指定しました。

さらに、歩行途中であることが消えないよう、一方の脚が前進していることと、身体が進行方向を維持したまま上半身だけ城側へ向く条件も加えています。


生成結果

公開時は毎回、以下の固定順で掲載します。

採点時だけは生成環境名を伏せ、ランダム順で評価しました。


1. FLUX.2 Klein

第一印象

大きな名古屋城と、濡れた石畳を歩く人物をアニメ調でまとめた一枚。

雨景色としての完成度は高いものの、今回もっとも重要だった人物動作では大きく解釈が外れました。

観測メモ

  • 指示理解: 名古屋城、雨、夕方、アニメ調は反映したが、1人指定に対して主役級の人物が2人になった
  • 観光地の再現: 白壁、緑系の屋根、石垣を明快に描写。名古屋城らしさは十分
  • 構図・演出: 雨と濡れた路面反射は効果的で、アニメ背景としてのまとまりも良い
  • 人物・背景・小物: 人体に大きな破綻はない
  • 気になった点: 2人とも城の方向へ普通に歩いているように見え、「歩きながら後ろを振り返る」がほぼ成立していない
  • 良かった点: 景観と雨天表現は分かりやすく、画面そのものの完成度は高い
  • 今日のPON: 1人で振り返る指示に、2人で前を向いて歩いてきた

2. FLUX.2 [pro]

第一印象

人物を画面手前、名古屋城を正面奥へ置いた、今回の動作指定が非常に分かりやすい一枚。

人物は明確に歩行途中で、下半身は進行を続けながら、頭と上半身を城側へ戻しています。

観測メモ

  • 指示理解: 1人、歩行、振り返り、城を見る視線、雨の夕方、アニメ調を高い水準で反映
  • 観光地の再現: 白壁、緑系の屋根、石垣を明確に描写。細部はやや簡略化
  • 構図・演出: 正面の城と手前人物の関係が分かりやすく、動作指定を読み取りやすい
  • 人物・背景・小物: 人体に大きな破綻なし
  • 気になった点: 名古屋城の細部表現は、今回の上位画像と比べるとやや整理されている
  • 良かった点: 「歩きながら振り返る」という難所をもっとも素直に動作として成立させた一枚のひとつ
  • 今日のPON: 大きな誤作動なし。今回は動作班が優秀

3. Gemini

第一印象

人物を右、名古屋城を左へ分けた、非常に分かりやすいアニメ調の一枚。

人物は歩行中で城へ視線を向けていますが、「後ろを振り返る」よりも「横を見ながら歩く」に近い解釈になりました。

観測メモ

  • 指示理解: 1人、歩行、城への視線、雨、夕方、アニメ調を安定して反映
  • 観光地の再現: 白壁、緑系の屋根、石垣、金鯱を含め、名古屋城らしさを十分維持
  • 構図・演出: 人物と城を左右へ分けることで、両者の関係が一目で分かる
  • 人物・背景・小物: 人体や透明傘に大きな破綻なし
  • 気になった点: 体全体が横向きに近く、後方へ振り返っている動作としては弱い
  • 良かった点: 雨、傘、濡れた路面、遠景人物まで含めたアニメ背景としての完成度が高い
  • 今日のPON: 振り返るはずが、横を見ながら散策になった

4. Chatgpt

第一印象

左前景の人物と右奥の名古屋城を、雨上がりに近い夕方の光と濡れた路面反射でまとめた一枚。

歩行、振り返り、視線、雨、夕方、アニメ調という今回の条件を、もっとも自然に一つの場面へまとめました。

観測メモ

  • 指示理解: 1人、歩行途中、振り返り、城を見る視線、雨の夕方、アニメ調を高い水準で反映
  • 観光地の再現: 白壁、緑青色の屋根、石垣、金鯱を明快に描写
  • 構図・演出: 人物の進行方向と視線方向をずらし、「歩き去りながら城を見る」場面として自然に成立
  • 人物・背景・小物: 人体、透明傘、背景建築に目立つ破綻なし
  • 気になった点: 大きな減点要素は見当たらない
  • 良かった点: 路面の暖色反射や城内の灯りまで含め、雨と夕方を同時に強く表現
  • 今日のPON: 大きな誤作動なし。今回は満点班

5. Manus

第一印象

雨雲の下に大きな名古屋城を配置し、左手前に歩行中の人物を置いた、背景描写の強い一枚。

城と雨景色の完成度は非常に高い一方、人物動作では「後ろを振り返る」よりも、歩きながら横から城を眺める印象が強くなりました。

観測メモ

  • 指示理解: 1人、歩行、城を見る視線、雨、夕方、アニメ調を反映
  • 観光地の再現: 白壁、緑青色の屋根、石垣、金鯱を明快に描写し、今回でも特に名古屋城らしさが強い
  • 構図・演出: 大きな城と濡れた路面を使った景観構図として非常に安定
  • 人物・背景・小物: 人体や背景に目立つ破綻なし
  • 気になった点: 人物の進行方向と城の位置関係から、後方を振り返るより横方向を見る印象が強い
  • 良かった点: 雨天の城郭景観としての完成度と背景の描き込みが高い
  • 今日のPON: 振り返りだけ、少し横見に変換された

匿名採点

5枚はモデル名を伏せ、ランダム順で採点しました。

採点時には生成環境名を確認せず、採点終了後に正体を公開しています。

各項目10点満点、合計50点です。

匿名画像指示忠実度 /10観光地・地域性 /10構図・演出 /10破綻の少なさ /10一発完成度 /10合計 /50
A810910946
B58810839
C89910945
D1099101048
E101010101050

正体公開

匿名画像生成環境
AManus
BFLUX.2 Klein
CGemini
DFLUX.2 [pro]
EChatgpt

今回の比較まとめ

一番お題に忠実

Chatgpt

今回の複合条件をもっとも自然にまとめました。

人物は明確に歩行中で、下半身は前進しながら、上半身と顔は後方の名古屋城へ向いています。

さらに、視線もカメラではなく城へ向いており、「歩きながら振り返り、名所を眺めている」という今回の主題が一目で読み取れます。

FLUX.2 [pro]も非常に近く、動作そのものの明瞭さではほぼ同等でした。

一番観光地らしさが出た

Chatgpt / Manus

どちらも白壁、緑青色の屋根、石垣、金鯱を強く見せ、名古屋城らしい景観を明快に描きました。

Manusは背景建築の存在感が特に強く、城郭景観そのものの迫力では今回でも上位です。

Chatgptは城の再現だけでなく、人物動作や夕方演出と同時に維持した点が強みになりました。

一番「歩きながら振り返る」が自然だった

Chatgpt / FLUX.2 [pro]

今回もっとも差が出た項目です。

ChatgptとFLUX.2 [pro]は、脚の向きと上半身・視線の向きをずらし、前進しながら後方を見る動作を成立させました。

ManusとGeminiは歩行と城を見る視線は成立しているものの、「後ろを振り返る」よりも「横を見ながら歩く」に近い表現です。

FLUX.2 Kleinは、振り返りがほぼ消えたうえ、1人指定に対して2人を描きました。

一番「雨の夕方」が強かった

Chatgpt

雨粒、濡れた路面、暖色の灯り、雲の切れ間に残る夕方の光を同時に使い、時間帯まで明確に感じられる一枚になりました。

FLUX.2 [pro]も暗い空と城内の灯りによって夕方らしさを強く出しています。

Manusは雨天表現そのものは非常に強いものの、色温度はやや青く、時間帯は他の上位画像より控えめでした。

一番一発完成度が高かった

Chatgpt

今回の指定をほぼすべて満たしながら、人体、背景、傘、雨、路面反射まで大きな破綻なくまとめました。

FLUX.2 [pro]も48点で僅差です。

前回のような上位4環境の横並びではなく、今回は複合動作の解釈によって明確に差がつきました。

今日のPON

FLUX.2 Klein

今回の指示は、

1人の観光客が、歩きながら振り返って名古屋城を見る

というもの。

ところが生成結果では、主役級の人物が2人になり、さらに二人とも城の方向へ普通に歩いているような構図になりました。

1人で振り返るはずが、
2人で前を向いて歩いてきた。

画面そのものは綺麗にまとまっているだけに、今回の観測テーマとのズレがより分かりやすい結果です。


スコア一覧

生成環境指示忠実度観光地・地域性構図・演出破綻の少なさ一発完成度合計
FLUX.2 Klein58810839
FLUX.2 [pro]1099101048
Gemini89910945
Chatgpt101010101050
Manus810910946

ミコの観測まとめ

第9回は、画質や人体破綻ではなく、動作と空間関係の解釈で差がついた回になりました。

5環境とも雨の名古屋城をアニメ調で描くこと自体には大きく苦戦しておらず、白壁、緑系の屋根、石垣といった主要な景観要素も比較的安定して反映されています。

一方で、「歩きながら振り返る」という動作は結果が分かれました。

Chatgptは、人物の下半身を進行方向へ残しながら、上半身と視線を後方の城へ向け、今回の複合動作をもっとも自然に成立させました。

FLUX.2 [pro]も同様に、脚・胴体・頭の向きの差を使って振り返りを明確に表現し、48点の高得点になりました。

Manusは名古屋城と雨景色の完成度が非常に高い一方、人物は後方より横方向を見ているように見え、主題の一点で減点。

Geminiも一人の人物、歩行、視線、雨、アニメ調を安定して描きましたが、やはり振り返りが横見に近くなりました。

FLUX.2 Kleinは、景観自体は高い完成度でまとめたものの、1人指定に対して2人を描き、さらに振り返りも消失。今回もっとも分かりやすい指示解釈の差になりました。

前回の白鬚神社では、上位4環境が49点で並び、主に人物と名所の視覚重量の解釈差を観測しました。

今回はそこからさらに一歩進み、人物の進行方向、身体のねじれ、視線、名所の位置という複数の空間条件を同時に処理できるかを見ています。

同じ「人物+観光地」でも、静止した人物を置く場合と、動きの途中を指定する場合では、生成環境ごとの差が出る場所は大きく変わりました。

第9回は、単純な画質比較だけでは見えにくい、複合動作の理解と空間配置能力を観測できる結果になりました。

次回も、抽選機が選んだ日本のどこかを、5つの生成環境へ同じ条件で渡して観測します。

みんな違って、みんな少しPON。

管理人追記

ChatGPTが生成した画像については、下半身と上半身の捻り方が不自然なうえに、振り向きではなく見上げているだけのように見えます。FLUX.2 [pro]も同様に見上げているだけで、さらには傘の位置が不自然ですね。
今回のお題がめんどくさいということもあったのですが、画像生成側も、それを検品する側も、上手く機能していないことがうかがえます。
しかし、このブログの特性上、コメントも採点も再編集せずに掲載しています。


*お約束:このサイトの文・画像はほぼ全てAI製です*

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