同じお題と同じ共通プロンプトを渡したとき、画像生成AIごとにどんな違いが出るのか。
第8回は、滋賀県の白鬚神社を観測します。
今回は、名所と人物を同じくらい目立たせた構図に、晴れた夕方、映画スチル風という演出を組み合わせました。
白鬚神社を象徴する景観として、琵琶湖の湖中に立つ朱塗りの大鳥居を主役のひとつに設定します。
今回のポイントは、人物を大きく描くだけでも、鳥居を大きく描くだけでもありません。
人物と名所のどちらか一方を添え物にせず、同じ画面の中でほぼ同等の存在感を持たせられるか。
さらに、晴れた夕方の光、湖面の反射、自然な遠近感を使いながら、観光ポスターや記念写真ではなく「映画の途中の一場面」に見える画面を作れるかも観測します。
今回も、観測員ミコが5つの生成環境の一発生成結果を記録します。
みんな違って、みんな少しPON。
今回参加する生成環境
FLUX.2 Klein 4B Distilled
利用環境: ローカル環境
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし
ローカルで扱う軽量モデル枠です。
軽量モデルとしての一発完成度、プロンプトへの忠実度、構図の安定性、ローカル運用での実用性を観測します。
FLUX.2 [pro]
利用環境: BFL公式Playground
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし
FLUX.2の上位モデル枠です。
記事内では、
FLUX.2 [pro] / BFL公式Playground使用
として扱います。
ローカル版との差や、一発生成時の完成度、観光地と人物のまとめ方を観測します。
Gemini
利用環境: 外部画像生成環境
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし
ウォーターマークが入る場合も消さず、そのまま掲載します。
生成元ごとの出力仕様も含めて、素の状態を観測します。
Chatgpt
利用環境: ChatGPT「画像」機能
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし
通常の制作チャットとは分け、可能な限り新規条件に近い状態で生成します。
身内びいきはせず、他の生成結果と同じ条件で観測します。
Manus
利用環境: Manus無料枠・標準設定
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし
内部モデル名は推測せず、実際に確認できる利用条件のみ記載します。
無料枠・標準設定で、どこまで一発完成度を出せるかを観測します。
共通ルール
今回の5環境には、以下の条件を共通で渡しました。
- 完全に同じ共通英語プロンプト
- 参照画像なし
- 各環境1枚
- 一発生成
- リテイクなし
- 1920×1080を優先
- 1920×1080が不可能な場合は16:9の横長比率を維持
- サービス側の明確なエラーのみ再試行
- 生成結果の破綻や解釈違いは、そのまま観測結果として採用
内部設定まで完全に揃えることはできないため、厳密なベンチマークではありません。
あくまで、できるだけ同じ条件へ近づけた比較観測です。
また、本企画は基盤モデルだけでなく、各サービスの標準設定や生成処理を含む「生成環境単位」で比較します。
今回の抽選結果
| 項目 | 抽選結果 |
|---|---|
| 観測回 | 第8回 |
| 都道府県・観光地 | 滋賀県|白鬚神社 |
| 構図・状況 | 名所と人物を同じくらい目立たせた構図 |
| 演出セット | 晴れた夕方・映画スチル風 |
| 参照画像 | なし |
| 出力指定 | 1920×1080、不可の場合は16:9維持 |
| 再抽選 | なし |
第8回は、人物と名所のどちらか一方だけを強く見せるのではなく、両方を同じ画面で主役として成立させられるかが大きな観測点になりました。
白鬚神社の湖中大鳥居は単体でも画面の主役になりやすく、人物を同時に目立たせようとすると、サイズ、距離、左右配置、明暗差の調整が必要になります。
実際に使用した共通プロンプト
Create a wide 16:9 cinematic still set at Shirahige Shrine in Shiga Prefecture, Japan.
It is a clear late afternoon approaching sunset. The sky is bright and calm, with warm golden sunlight reflecting across Lake Biwa.
Show the iconic vermilion torii gate standing in the waters of Lake Biwa, clearly recognizable as the lakeside landmark of Shirahige Shrine.
Include one tourist in the scene. Compose the image so that the tourist and the torii gate have roughly equal visual prominence. Neither should dominate the image too strongly, and neither should appear merely as a small background detail.
Arrange the person and the torii gate in a visually balanced cinematic composition, using depth, framing, and natural perspective to give both subjects a strong presence in the same scene.
The torii should remain clearly visible in the lake, with open water around it and the distant shoreline or mountains subtly visible beyond.
Use warm late-afternoon sunlight, gentle highlights on the water, soft natural shadows, and a cinematic movie-still atmosphere with realistic detail and restrained color grading.
The scene should feel like a carefully framed moment from a live-action film rather than a travel advertisement or posed portrait.
No text, captions, signs, logos, or watermarks.
今回は、人物と鳥居の視覚的重要度を揃えるため、roughly equal visual prominence と明記しました。
さらに、人物だけが巨大化したり、逆に鳥居だけが景観の主役になったりしないよう、どちらも小さな背景要素にしない条件を加えています。
映画スチル風についても、単なる cinematic では観光広告的な画面へ寄る可能性があるため、「旅行広告やポーズ写真ではなく、実写映画の一場面」という方向を共通条件に含めました。
生成結果
公開時は毎回、以下の固定順で掲載します。
採点時だけは生成環境名を伏せ、ランダム順で評価しました。
1. FLUX.2 Klein

第一印象
湖中の大鳥居を画面中央から右側へ大きく置き、夕方の琵琶湖を広く見せた一枚。
景観としての完成度は高い一方、人物は左下に小さく配置され、今回の「人物と名所を同じくらい目立たせる」という条件では鳥居側がかなり優勢になりました。
観測メモ
- 指示理解: 白鬚神社、湖中大鳥居、人物1人、晴れた夕方という主要要素は反映
- 観光地の再現: 湖中の朱塗り鳥居、湖、遠景の山を明快に描写
- 構図・演出: 大鳥居を強く見せる景観構図としては安定しているが、人物との視覚的な均衡は弱い
- 人物・背景・小物: 人物や背景に大きな破綻は見られない
- 気になった点: 人物が添景化し、映画スチルより観光キービジュアル寄り
- 良かった点: 夕方の湖と鳥居を一目で理解できる、分かりやすい景観表現
- 今日のPON: 「同じくらい目立たせる」の天秤が鳥居側へ大きく傾いた
2. FLUX.2 [pro]

第一印象
人物を左前景、鳥居を右中景へ置き、両者をかなり対等な存在感でまとめた一枚。
人物が鳥居を見ているため記念写真感が弱く、夕方の湖を舞台にした映画の一場面として自然に成立しています。
観測メモ
- 指示理解: 人物1人、湖中大鳥居、晴れた夕方、映画スチル風、両者の均衡を高い水準で反映
- 観光地の再現: 朱塗りの鳥居、湖、遠景の山を明快にまとめている
- 構図・演出: 左の人物と右の鳥居を対置し、遠近差を使いながら両方の存在感を維持
- 人物・背景・小物: 人体や衣服、湖面に大きな破綻なし
- 気になった点: 大きな減点要素は見当たらない
- 良かった点: 逆光、湖面反射、人物の視線を使って物語性を作っている
- 今日のPON: 大きな誤作動なし。今回はかなり映画班
3. Gemini

第一印象
人物を左、鳥居を右へ配置した、今回の条件が一目で伝わる素直な一枚。
夕方の光は明るく爽やかで、映画スチルというより少し青春ロードムービーのような軽快さがあります。
観測メモ
- 指示理解: 人物1人、湖中大鳥居、晴れた夕方、人物と名所の均衡を明確に反映
- 観光地の再現: 湖中鳥居、琵琶湖、遠景の山という主要要素を安定して描写
- 構図・演出: 人物と鳥居を左右へ分け、両方を分かりやすく見せる安定構図
- 人物・背景・小物: 人体や背景に目立つ破綻なし
- 気になった点: 手前の足場表現がやや演出的で、画面全体も少し観光映画寄り
- 良かった点: 今回の「五分五分」という構図指定を非常に素直に回収
- 今日のPON: 大きな誤作動なし。強いて言えば少し爽やかすぎる映画になった
4. Chatgpt

第一印象
人物を左前景、鳥居を右中景へ配置し、人物と名所の視覚的重要度をかなり綺麗に揃えた一枚。
人物が鳥居を見つめる構図と中央付近の夕日によって、観光写真よりも物語の途中を切り取ったような映画スチル感が強く出ています。
観測メモ
- 指示理解: 人物1人、湖中大鳥居、晴れた夕方、映画スチル風、均衡のある構図を高い水準で反映
- 観光地の再現: 朱塗りの鳥居、湖、遠景の山を明快に描写
- 構図・演出: 人物と鳥居の大きさ、左右配置、明暗差のバランスがよく、今回の主題に非常に合う
- 人物・背景・小物: 人体、衣服、湖面、遠景に目立つ破綻なし
- 気になった点: 大きな減点要素は見当たらない
- 良かった点: 人物と名所の五分五分、夕方、映画スチル風を同時に成立
- 今日のPON: 大きな誤作動なし。今回も優等生
5. Manus

第一印象
左前景の人物、右奥の鳥居、左上の松、低い夕日を組み合わせた、画面設計の強い一枚。
人物と鳥居を単純に左右へ並べるだけでなく、前景の松や逆光をフレームとして使い、今回の5枚の中でも特に「映画の1カット」らしい物語性を作りました。
観測メモ
- 指示理解: 人物1人、湖中大鳥居、晴れた夕方、映画スチル風を高い水準で反映
- 観光地の再現: 湖中鳥居、湖、山、夕景を明快にまとめている
- 構図・演出: 人物、鳥居、松、夕日の配置が印象的で、単なる観光写真になっていない
- 人物・背景・小物: 人体や背景に大きな破綻なし
- 気になった点: 面積だけ見ると鳥居がやや強めだが、前景の人物と松を含めた視覚的な重さでは十分に拮抗
- 良かった点: 今回もっとも物語性の強い映画スチル表現
- 今日のPON: 大きな誤作動なし。映画監督が仕事をした
匿名採点
5枚はモデル名を伏せ、ランダム順で採点しました。
採点時には生成環境名を確認せず、採点終了後に正体を公開しています。
各項目10点満点、合計50点です。
| 匿名画像 | 指示忠実度 /10 | 観光地・地域性 /10 | 構図・演出 /10 | 破綻の少なさ /10 | 一発完成度 /10 | 合計 /50 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| A | 10 | 9 | 10 | 10 | 10 | 49 |
| B | 10 | 9 | 10 | 10 | 10 | 49 |
| C | 10 | 9 | 10 | 10 | 10 | 49 |
| D | 8 | 9 | 8 | 10 | 9 | 44 |
| E | 10 | 9 | 10 | 10 | 10 | 49 |
正体公開
| 匿名画像 | 生成環境 |
|---|---|
| A | FLUX.2 [pro] |
| B | Gemini |
| C | Manus |
| D | FLUX.2 Klein |
| E | Chatgpt |
今回の比較まとめ
一番お題に忠実
FLUX.2 [pro] / Gemini / Manus / Chatgpt
今回は上位4環境が非常に近い結果になりました。
いずれも人物を大きく見せながら、湖中の大鳥居も添え物にせず、同じ画面で強い存在感を維持しています。
FLUX.2 Kleinも主要要素自体は反映しましたが、人物が小さく、今回もっとも重要だった「同じくらい目立たせる」という条件で差がつきました。
一番観光地らしさが出た
5環境とも高水準
今回は白鬚神社を象徴する湖中大鳥居、琵琶湖、遠景の山という要素を、全環境が大きく外さず描きました。
前回の姫路城ほど、建築形状そのものの固有性で大きな差は出ていません。
一番「人物と名所を同じくらい目立たせる」が自然だった
Chatgpt / FLUX.2 [pro] / Gemini
ChatgptとFLUX.2 [pro]は、人物を左前景、鳥居を右中景に置き、遠近差がありながら両者の存在感をかなり均等にしました。
Geminiも左右に明快に分けることで、今回の構図指定を非常に分かりやすく成立させています。
Manusは鳥居がやや大きめですが、人物側に松や暗い前景をまとめることで、画面全体の視覚重量を釣り合わせました。
一番映画スチルらしさが強かった
Manus
人物と鳥居だけでなく、松を前景フレームとして使い、低い夕日と湖面の反射まで含めて一つの場面を作りました。
単なる観光地の紹介画像ではなく、前後に物語がありそうな「映画の途中の一瞬」に最も近い印象です。
ChatgptとFLUX.2 [pro]も、人物をカメラ目線にせず鳥居へ視線を向けることで、強い映画スチル感を出しました。
一番一発完成度が高かった
FLUX.2 [pro] / Gemini / Manus / Chatgpt
4環境とも大きな人体破綻や構図事故がなく、そのまま記事へ掲載できる水準にまとまりました。
今回は上位4環境の差が非常に小さく、好みや「映画スチルらしさ」をどこまで重く見るかで順位が変わるタイプの比較です。
今日のPON
FLUX.2 Klein……ではなく、観測員ミコ
採点途中、複数の生成画像で湖中大鳥居の下部に見えた補強構造を、
AIが鳥居の脚を増やした
と観測員ミコが誤認。
その後、実際の鳥居にも倒れないための補強構造があることが分かり、生成側へのPON判定は撤回しました。
鳥居を観測していたはずが、
一番先にPONしたのは観測員だった。
なお、この誤認は採点には反映していません。
スコア一覧
| 生成環境 | 指示忠実度 | 観光地・地域性 | 構図・演出 | 破綻の少なさ | 一発完成度 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| FLUX.2 Klein | 8 | 9 | 8 | 10 | 9 | 44 |
| FLUX.2 [pro] | 10 | 9 | 10 | 10 | 10 | 49 |
| Gemini | 10 | 9 | 10 | 10 | 10 | 49 |
| Chatgpt | 10 | 9 | 10 | 10 | 10 | 49 |
| Manus | 10 | 9 | 10 | 10 | 10 | 49 |
ミコの観測まとめ
第8回は、上位4環境が49点で並ぶ、かなり高水準の比較になりました。
今回もっとも差が出たのは、白鬚神社そのものを描けるかではなく、人物と名所という二つの主役を、どちらも添え物にせず同時に成立させられるかです。
FLUX.2 [pro]は、人物と鳥居を左右へ分け、夕方の逆光と人物の視線を使って自然な映画スチルへまとめました。
Geminiは、今回の構図条件をもっとも素直に読み取り、人物と鳥居を分かりやすく対等に配置。爽やかな夕方の映画として安定した一枚になりました。
Chatgptは、人物と鳥居の視覚的重要度をかなり綺麗に揃え、夕日を含めた逆光表現と人物の向きによって物語性も確保しました。
Manusは、人物と鳥居だけでなく松を前景に入れ、フレームそのものを作ることで今回もっとも映画スチルらしい一枚を生成しました。
一方、FLUX.2 Kleinは、湖中大鳥居と夕方の琵琶湖という景観自体は高い完成度でまとめたものの、人物が小さくなり、今回の「同じくらい目立たせる」という主題から一歩外れました。
前回の姫路城では、人物を前景へ置きながら、背景の名所を大きく維持できるかが中心でした。
今回はさらに一歩進み、前後関係だけではなく、人物と名所の視覚重量そのものを揃えられるかを観測しています。
同じ「人物+観光地」でも、人物を主役にするのか、名所を主役にするのか、両方を主役にするのかで、生成環境ごとの差が出る場所は変わります。
そして今回は、生成側の大きな人体破綻や人数違いよりも、構図の解釈差が結果を分けました。
……ただし、観測員側では鳥居の実在する補強構造を「AIの脚増殖」と誤認する事故が発生。
生成AIを観測する企画ですが、観測側もたまにPONします。
第8回も、単純な画質比較だけでは見えにくい、生成環境ごとの構図解釈と演出差を観測できる結果になりました。
次回も、抽選機が選んだ日本のどこかを、5つの生成環境へ同じ条件で渡して観測します。
みんな違って、みんな少しPON。
*お約束:このサイトの文・画像はほぼ全てAI製です*




