同じお題と同じ共通プロンプトを渡したとき、画像生成AIごとにどんな違いが出るのか。
第7回は、兵庫県の姫路城を観測します。
今回は、人物を手前に置き、名所を背景に大きく見せる構図に、雨の昼、絵本風という演出を組み合わせました。
姫路城は、白い外観と幾重にも重なる屋根、複雑な多層構造、大きな石垣が印象的な名所です。
今回のポイントは、単に人物と城を同じ画面に入れるだけではありません。
人物を手前に置きながら、背景の姫路城を小さく遠景へ追いやらず、画面の中で大きく、名所として強い存在感を持たせられるか。
そして、雨の昼という条件を、傘だけではなく雨筋、曇天、濡れた地面や反射なども含めて自然にまとめながら、絵本風の表現を保てるか。
今回も、観測員ミコが5つの生成環境の一発生成結果を記録します。
みんな違って、みんな少しPON。
今回参加する生成環境
FLUX.2 Klein 4B Distilled
利用環境: ローカル環境
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし
ローカルで扱う軽量モデル枠です。
軽量モデルとしての一発完成度、プロンプトへの忠実度、構図の安定性、ローカル運用での実用性を観測します。
FLUX.2 [pro]
利用環境: BFL公式Playground
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし
FLUX.2の上位モデル枠です。
記事内では、
FLUX.2 [pro] / BFL公式Playground使用
として扱います。
ローカル版との差や、一発生成時の完成度、観光地と人物のまとめ方を観測します。
Gemini
利用環境: 外部画像生成環境
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし
ウォーターマークが入る場合も消さず、そのまま掲載します。
生成元ごとの出力仕様も含めて、素の状態を観測します。
Chatgpt
利用環境: ChatGPT「画像」機能
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし
通常の制作チャットとは分け、可能な限り新規条件に近い状態で生成します。
身内びいきはせず、他の生成結果と同じ条件で観測します。
Manus
利用環境: Manus無料枠・標準設定
参照画像: なし
生成回数: 1回
リテイク: なし
内部モデル名は推測せず、実際に確認できる利用条件のみ記載します。
無料枠・標準設定で、どこまで一発完成度を出せるかを観測します。
共通ルール
今回の5環境には、以下の条件を共通で渡しました。
- 完全に同じ共通英語プロンプト
- 参照画像なし
- 各環境1枚
- 一発生成
- リテイクなし
- 1920×1080を優先
- 1920×1080が不可能な場合は16:9の横長比率を維持
- サービス側の明確なエラーのみ再試行
- 生成結果の破綻や解釈違いは、そのまま観測結果として採用
内部設定まで完全に揃えることはできないため、厳密なベンチマークではありません。
あくまで、できるだけ同じ条件へ近づけた比較観測です。
また、本企画は基盤モデルだけでなく、各サービスの標準設定や生成処理を含む「生成環境単位」で比較します。
今回の抽選結果
| 項目 | 抽選結果 |
|---|---|
| 観測回 | 第7回 |
| 都道府県・観光地 | 兵庫県|姫路城 |
| 構図・状況 | 人物を手前に置き、名所を背景に大きく見せる |
| 演出セット | 雨の昼・絵本風 |
| 参照画像 | なし |
| 出力指定 | 1920×1080、不可の場合は16:9維持 |
| 再抽選 | なし |
第7回は、人物を前景に置きつつ、その人物に背景の名所が負けない画面構成を作れるかが大きな観測点になりました。
姫路城の白い外観、多層の屋根、石垣といった特徴を保ちながら、絵本風の簡略化やデフォルメがどこまで入るかも比較しやすいお題です。
実際に使用した共通プロンプト
Create a wide 16:9 storybook-style illustration set at Himeji Castle in Hyogo Prefecture, Japan.
It is a rainy daytime scene. The sky is overcast, with visible rainfall and wet ground reflecting the soft daylight.
Place one tourist prominently in the foreground. Behind the person, show Himeji Castle large and clearly visible, occupying a substantial part of the background rather than appearing small or distant.
Make the relationship between the foreground person and the famous landmark visually easy to understand. The person should be close to the viewer, while the castle remains visually dominant and recognizable behind them.
Show the distinctive white exterior, layered tiled roofs, elegant multi-level structure, and surrounding stone walls associated with Himeji Castle.
Rainy daytime atmosphere, soft diffused light, gentle storybook-style illustration with warm hand-painted textures.
No text, captions, signs, logos, or watermarks.
今回は、「人物を手前に置く」だけで人物を大きく描きすぎないよう、背景の姫路城も大きく、画面内で視覚的に強い存在感を持つよう指定しました。
また、姫路城らしさを確認しやすくするため、白い外観、重なる瓦屋根、多層構造、石垣という特徴を共通条件に含めています。
生成結果
公開時は毎回、以下の固定順で掲載します。
採点時だけは生成環境名を伏せ、ランダム順で評価しました。
1. FLUX.2 Klein

第一印象
線画と淡い塗りを組み合わせた、児童向けイラストや絵本に近い一枚。
人物は前景中央、姫路城は背景いっぱいに大きく描かれ、今回の構図指定そのものはかなり分かりやすく成立しました。
観測メモ
- 指示理解: 人物1人、前景配置、背景の大きな城、雨の昼、絵本風を明確に反映
- 観光地の再現: 白壁、多層屋根、石垣は揃うが、建物全体はやや創作城寄り
- 構図・演出: 人物を中央に置き、背景の城を大きく見せる説明的で安定した構図
- 人物・背景・小物: 人体や雨表現に大きな破綻は見られない
- 気になった点: 姫路城そのものの固有性より、「白い日本城」という印象がやや強い
- 良かった点: 絵本風、雨、前景人物と背景名所という主要条件を分かりやすく回収
- 今日のPON: 姫路城を描いたはずが、少しオリジナル城を建築した
2. FLUX.2 [pro]

第一印象
今回の5枚の中でも、絵本風という指定をかなり素直に受け取った一枚。
人物はデフォルメ寄り、背景も手描き感が強く、全体として絵本の1ページらしい雰囲気になりました。
観測メモ
- 指示理解: 人物1人、前景配置、背景の城、雨の昼、絵本風を高い水準で反映
- 観光地の再現: 白壁、多層屋根、石垣は明快だが、姫路城の固有形状はやや単純化
- 構図・演出: 人物中央、城を背後に大きく配置し、条件そのものは明快
- 人物・背景・小物: 大きな人体破綻はなく、傘や雨、水たまりも安定
- 気になった点: 姫路城そのものより、「姫路城をモチーフにした絵本背景」に寄った
- 良かった点: 5枚の中でも特に絵本らしい統一感が強い
- 今日のPON: 絵本化の途中で、姫路城が少し一般的な白い城へ寄った
3. Gemini

第一印象
人物を右前景へ寄せ、姫路城を左から中央へ大きく見せた、画面として自然な一枚。
線画と淡い塗りによる絵本らしさも明快で、雨の日の観光という場面が一目で伝わります。
観測メモ
- 指示理解: 人物1人、前景配置、背景の大きな姫路城、雨の昼、絵本風を明確に反映
- 観光地の再現: 白壁、黒瓦、多層構造、石垣に加え、堀や橋まで含めて観光地として見せている
- 構図・演出: 人物を右へ寄せ、城を左側に大きく見せることで、人物と名所を自然に両立
- 人物・背景・小物: 人体、傘、長靴、雨、水面反射に大きな破綻なし
- 気になった点: 城自体はやや簡略化され、実在の姫路城としてはA・Bほど精密ではない
- 良かった点: 観光地全体の雰囲気と絵本風のバランスがよく、構図にも動きがある
- 今日のPON: 大きな誤作動はなし。姫路城だけ少し絵本向けに整理された
4. Chatgpt

第一印象
人物を前景に置きながら、背景の姫路城を非常に大きく、強い存在感で見せた一枚。
雨の観光地としての空気感も自然で、今回の条件を高い水準でまとめました。
観測メモ
- 指示理解: 人物1人、前景配置、背景の大きな姫路城、雨の昼、絵本風をすべて明確に反映
- 観光地の再現: 白壁、複雑に重なる屋根、多層構造、石垣が明快で、姫路城として認識しやすい
- 構図・演出: 人物がこちらを向いていても、城の存在感が負けず、前景と背景のバランスがよい
- 人物・背景・小物: 人物、傘、手、雨表現に大きな破綻は見られない
- 気になった点: 人物の顔は背景より少し現代的なデジタルイラスト寄り
- 良かった点: 観光地再現、構図、雨、絵本風を高い水準で同時に成立
- 今日のPON: 大きな誤作動はなく、今回もかなり優等生
5. Manus

第一印象
写実寄りの水彩絵本風で、人物と姫路城の遠近関係を非常に自然にまとめた一枚。
人物は左前景、姫路城は背景で大きく見え、雨の昼の空気感も強く出ています。
観測メモ
- 指示理解: 人物1人、前景配置、背景の大きな姫路城、雨の昼、絵本風をすべて高い水準で反映
- 観光地の再現: 白壁、重なる屋根、多層構造、大きな石垣が明快で、姫路城としての識別性が高い
- 構図・演出: 人物を左へ寄せ、城を大きく見せることで名所の存在感をしっかり確保
- 人物・背景・小物: 人物、傘、手指、雨、濡れた石畳に目立つ破綻なし
- 気になった点: 絵本風としては比較的写実寄り
- 良かった点: 姫路城の固有性と雨天演出、人物との遠近を非常に自然にまとめた
- 今日のPON: 大きな誤作動は見当たらず。PONは雨宿り中
匿名採点
5枚はモデル名を伏せ、ランダム順で採点しました。
採点時には生成環境名を確認せず、採点終了後に正体を公開しています。
各項目10点満点、合計50点です。
| 匿名画像 | 指示忠実度 /10 | 観光地・地域性 /10 | 構図・演出 /10 | 破綻の少なさ /10 | 一発完成度 /10 | 合計 /50 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| A | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 50 |
| B | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 50 |
| C | 10 | 8 | 9 | 10 | 9 | 46 |
| D | 10 | 8 | 9 | 10 | 9 | 46 |
| E | 10 | 9 | 10 | 10 | 10 | 49 |
正体公開
| 匿名画像 | 生成環境 |
|---|---|
| A | Manus |
| B | Chatgpt |
| C | FLUX.2 [pro] |
| D | FLUX.2 Klein |
| E | Gemini |
今回の比較まとめ
一番お題に忠実
Manus / Chatgpt
匿名採点では、両環境が50点満点となりました。
人物1人を前景に置きつつ、背景の姫路城を大きく、視覚的に強い存在として成立させています。
雨の昼、絵本風という演出も崩れず、今回の主要条件をほぼそのまま一枚へまとめました。
一番観光地らしさが出た
Manus / Chatgpt
両環境とも、姫路城の白い外観、重なる屋根、多層構造、石垣を高い水準でまとめました。
Geminiも堀や橋を含めて観光地全体としての雰囲気を強く出しましたが、城そのものの形は少し簡略化されています。
FLUX.2 [pro]とFLUX.2 Kleinは、姫路城の主要特徴は押さえた一方、匿名採点では地域性8点。
絵本風への変換が強く、そのぶん固有の建築形状がやや一般化されました。
一番「人物を手前、名所を背景に大きく」が自然だった
Manus / Chatgpt / Gemini
Manusは人物を左前景、Chatgptは左側の人物と右側の城、Geminiは人物を右前景に置き、それぞれ人物と名所の存在感を両立しました。
特にGeminiは、人物を中央から外すことで画面に動きが生まれ、絵本の一場面として自然な構成になっています。
一番絵本らしさが強かった
FLUX.2 [pro]
人物のデフォルメ、背景の簡略化、柔らかい手描き感が最も分かりやすく、今回の「絵本風」という指定を真正面から反映しました。
ただし、その絵本化と引き換えに姫路城の固有性は少し弱まりました。
一番一発完成度が高かった
Manus / Chatgpt
匿名採点では両環境とも一発完成度10点、総合50点。
構図、観光地らしさ、人物、雨、絵本風のどれか一つだけが強いのではなく、全体のバランスがよく、そのまま記事へ掲載できる完成度になりました。
今日のPON
FLUX.2 [pro] / FLUX.2 Klein
今回は大きな人体破綻や人数増加といった分かりやすいPONはありませんでした。
代わりに差が出たのは、姫路城そのものの固有性。
両FLUXは白壁、多層屋根、石垣という主要特徴を押さえながら、絵本風への変換によって建築形状を少し一般化しました。
姫路城を絵本にした。
その途中で、少しだけ別のお城になった。
スコア一覧
| 生成環境 | 指示忠実度 | 観光地・地域性 | 構図・演出 | 破綻の少なさ | 一発完成度 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| FLUX.2 Klein | 10 | 8 | 9 | 10 | 9 | 46 |
| FLUX.2 [pro] | 10 | 8 | 9 | 10 | 9 | 46 |
| Gemini | 10 | 9 | 10 | 10 | 10 | 49 |
| Chatgpt | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 50 |
| Manus | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 50 |
ミコの観測まとめ
第7回は、5環境すべてが主要条件を大きく外さず、46〜50点に収まる高水準の比較になりました。
今回もっとも差が出たのは、人物を前景へ置きながら背景の名所を大きく見せる構図そのものではなく、絵本風へ変換したあとも姫路城の固有性をどこまで残せるかです。
Manusは、写実寄りの水彩絵本風で、人物と姫路城の遠近、雨天の空気感、観光地としての識別性を高い水準でまとめました。
Chatgptは、人物を大きく描きながらも姫路城の存在感を失わず、白壁、多層屋根、石垣という特徴も明快に反映。Manusと並ぶ50点となりました。
Geminiは、人物を右前景へ寄せることで自然な画面構成を作り、堀や橋を含めた観光地全体の雰囲気を強く見せました。
FLUX.2 [pro]は、今回もっとも絵本らしい表現を見せた一方、姫路城そのものの形は少し一般化。
FLUX.2 Kleinも同様に、主要条件はしっかり拾いながら、建築の固有性では上位3環境に一歩及びませんでした。
前回の三保松原と富士山では、撮影者、被写体、背景の名所という三つの役割を一枚の中で自然に結びつけられるかが大きな観測点でした。
今回は人物同士の関係ではなく、前景の人物と背景の名所、それぞれの存在感を同時に成立させる遠近と画面構成が中心です。
同じ「人物+観光地」という条件でも、構図指定が変わるだけで、生成環境ごとの差が出る場所も変わります。
そして今回は、5環境とも人物1人、雨の昼、絵本風、背景の大きな名所という主要条件をほぼ正しく反映しました。
差になったのは、失敗の有無よりも、固有の観光地をどこまで正確に残しながら画風変換できるか。
第7回も、単純な画質比較だけでは見えにくい、生成環境ごとの解釈差が観測できる結果になりました。
次回も、抽選機が選んだ日本のどこかを、5つの生成環境へ同じ条件で渡して観測します。
みんな違って、みんな少しPON。
*お約束:このサイトの文・画像はほぼ全てAI製です*




